(2) 多様な
居場所づくりをどのように進めるか。
2.子ども支援と教育について
(1) 子ども見守り
サポート事業をどのように進めるか。
(2) 教育現場の課題解決に向けた取組は。
3.
文化芸術振興について
(1) 県の
文化芸術活動支援策の活用を。
(2) 文化芸術による
社会包摂的活動の推進を。239
~
2521312番
大和幸久
[一問一答]1.
人口急減時代における市のまちづくりについて
(1) 大町市第5次
総合計画後期基本計画の課題は何か。
(2) 新過疎法による全部過疎指定となった市の課題は何か。252
~
265146番
神社正幸
[一問一答]1.住宅施策について
(1)
住生活基本計画への対応は。
(2) 市における住宅施策の現状と課題は。
(3) 市営住宅の維持管理の現状と課題は。266
~
278
△開議 午前10時00分
○議長(二條孝夫君) おはようございます。ただいまから3月定例会の本日の会議を開きます。 本日の出席議員数は15名であります。よって、定足数に達しておりますので、会議は成立いたしました。 なお、欠席、遅参等については、事務局長に報告いたさせます。
◎事務局長(藤澤浩紀君) 報告いたします。
平林英市議員は、療養のため本日の会議を欠席いたします。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) なお、本日の会議に出席を求めた者は、市長、副市長、教育長、
病院事業管理者、各部長及び庶務課長であります。
---------------------------------------
△日程第1 市政に対する
一般質問---------------------------------------
○議長(二條孝夫君) 日程第1 昨日に引き続き、市政に対する一般質問を行います。 質問順位第11位、岡秀子議員の質問通告は3項目です。岡秀子議員の質問を許します。岡秀子議員。(拍手) 〔14番(岡 秀子君)登壇〕
◆14番(岡秀子君) ロシアによる
ウクライナ侵略は、国際法及び国連憲章の違反であり、断じて受け入れるわけにはまいりません。No more war、そして世界中の平和を願っております。 通告に従いまして、コロナ禍の影響について、教育行政について、障害者福祉について、3項目を質問いたします。 まず1点目、
新型コロナウイルス感染症第6波への対応をお聞きいたします。
新型コロナウイルス感染症はデルタ株から感染力の強い
オミクロン株となり、大町市では今年に入ってから、幼児、小・中学生、親の世代から高齢者まで様々な世代で感染が広がっております。 長野県では1月11日、
感染警戒レベル5の特別警報Ⅱを発出、同じ27日から
まん延防止重点措置が2月20日までとしておりましたが、3月6日まで延長となりました。重症化を防ぐ効果があると言われている3回目の
ワクチン接種状況はいかがでしょうか。 去る2月22日、全国で1日に300人以上の方々が亡くなり、第5波を超えて、第6波での死者が4,000人を超えました。大町市でも3回目の
ワクチン接種があまり進んでいない中、高齢者、基礎疾患のある方々への
ワクチン接種の推進対応策について伺います。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 岡秀子議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 3回目の
ワクチン接種の状況についてお答えいたします。 3回目の
ワクチン接種の対象者は、1、2回目の
ワクチン接種を済まされた18歳以上の方とされており、対象者は2万334人でございます。3回目接種の実施状況につきましては、2月5日にスタートし、2月27日現在で5,604人、接種率は27.6%となっております。 次に、高齢者等への
ワクチン接種につきましては、全国的に予約枠に空きが生じており、接種が低調との報道がなされておりますが、当市におきましてはおおむね順調に接種が進んでおり、高齢者や基礎疾患等をお持ちの方で接種を希望される方につきましては、既に接種済みもしくは予約済みとなっております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 当市では保育所、
小・中学校等の子どもたちへの感染が広がっております。家庭内感染もあるようでございます。家庭内感染をさせないための注意点はどうでしょうか。 また、新たに始まる5歳から11歳の
ワクチン接種、これは一応、義務なしということで、家族と相談の上、受けるようにというふうになっております。また、12歳以上は半量のワクチンを打って、3週間空けて2回目を打つというようなことでございます。この
ワクチン接種への対応はどうなるのでしょうか。子どもさんや保護者の不安解消への取組についてもお伺いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 家庭内感染をさせないための注意点と小児への
ワクチン接種への対応等についてのお尋ねにお答えいたします。
コロナ感染症につきましては、
オミクロン株への置き換わりが進んだことにより、その感染力の強さから家庭内での感染や保育園、学校内における感染が拡大しているところであります。ここ最近はようやく頭打ちの傾向が見られますものの、まだ油断はできない状況にあるという状況でございます。 こうした中、まず家庭内感染を抑えるためには、家庭内へウイルスを持ち込まないことが最も大切であり、市民の皆様には
市長メッセージ等を通じ、一層徹底した感染対策をお願いしているところでございます。また、感染に対する心配や不安がある場合には、県が実施しております無料検査を、また、発熱などの症状がある場合につきましては、かかりつけ医の先生と御相談の上、速やかに発熱外来を受診していただくよう周知に努めております。 次に、5歳から11歳のお子さんへの
ワクチン接種につきましては、
市立大町総合病院に御協力をいただき、初めてとなりますが、この3月24日と25日にそれぞれ100名を予定しております。今週中には該当する方へ接種券を発送するとともに、10日からはインターネットによる予約受付も開始することとしております。また、4月以降につきましても
ワクチン接種の供給状況などを確認しながら、同規模の集団接種を実施するよう予定しているところでございます。 なお、お子さんや保護者の皆様への不安解消に向け、
ワクチン接種の効果と副反応などに関する国・県からの情報に基づき、丁寧な情報提供にも努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 全国的に重症者数がじわじわと増加傾向にあり、今後、当市において重症者が増える可能性も考えられます。
大町総合病院の医療体制等はいかがでしょうか。また、経口薬等の投与はどのようになっているのでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(藤本圭作君)
市立大町総合病院の
医療提供体制についての御質問にお答えいたします。 大町病院では年始からの第6波の感染拡大を受けまして、県の要請によって、今、15床の
感染症用病床を確保しております。しかしながら、
オミクロン株は皆さん御存じのとおり、非常に感染力が高いですけれども、ただ、
重症化リスクは低いということがありまして、第6波では、これまで15床準備していたんですけれども、8床の運用が最大となっております。入院してもすぐ退院するような感じで、今現在、今日の時点で2名入院していらっしゃいます。 また、大町病院に入院した陽性患者に死亡や重症化に至った事例はありません。9割以上が軽症者となっておりまして、点滴薬や内服薬の使用も始まったため、第5波以前と比較して長期入院は著しく減少し、短期入院が多くを占めている現状でございます。ただ、子どもさんへの拡大とか家庭内感染がありまして、家庭内感染に伴う社会的な隔離の入院ということもあります。 このようにこれまでのところ、病床が逼迫することはなく対応しておりますが、今後、家庭内や施設などにおきまして高齢者への感染拡大をするような場合には、
重症化リスクが高まることも懸念されておりますし、また、オミクロン、BA.2ですか、新しい株が広がっていきつつあるという現状を考えますと、引き続き万全の体制を整えていきたいというふうに考えております。 一方で、一時期、大北圏域における爆発的な感染拡大により、観光客を含め圏域内からコロナへの感染が疑われる患者が病院の発熱外来を訪れておりまして、1日30名から40名の患者さんがいらっしゃいます。一番多いときは60名いらっしゃいました。本当にてんてこ舞いで大変な状況だったんですけれども、現在は多少落ち着いてきておりまして、そうはいっても結構な患者さんがいらっしゃいますので、各部署から医師や看護師、あと事務のスタッフなどの応援により対応に当たっております。
ワクチン接種に関しては信大の保健学科の先生にもお声をかけてお手伝いいただいているような状況でございますし、また、市役所の職員の方にも多大な御協力をいただいている現状でございます。 治療薬の投与につきましては、使用可能な数量に限りがありまして、
重症化リスクの可能性がある場合に投与しております。中和抗体の点滴薬ですけれども、ソトロビマブ、商品名はゼビュディというのがあります。以前使っていた中和抗体はオミクロンには効かないということなので、今はゼビュディを使っておりまして、30分程度で点滴が終了しますので、投与後の副作用に留意しつつ、日帰り入院により対応を行っております。もう既に30名以上に投与しております。退院後は、点滴をやった後は
宿泊療養施設や自宅療養に移行させております。 また、経口薬の抗ウイルス薬、モルヌピラビル、商品名はラゲブリオといいますけれども、この内服につきましてはこれまで30名弱に院内処方したほかに、大町市、白馬村、松川村の調剤薬局でも処方は可能となりますので、一々白馬からまた薬をもらいに来るということはなくて、その近くの調剤薬局で頂けるということで、かなり患者さんとしては楽になっておりまして、足元の悪い冬期間におきましても病院に出向くことなく、対応は可能となっております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 次に、BA.2株、
ステルスオミクロンへの対応をお聞きいたします。 2月中旬、デンマークでは
オミクロン株に替わり、ほとんどがBA.2株となり、1日4万5,000人が感染しているそうです。東京でもBA.2株が検出されており、今後拡大すると流行が長引く可能性が増えますし、大きな波となり得ることも考えられます。この株については不明な部分が多いのですが、
新型コロナウイルス、デルタ株、
オミクロン株、BA.2株と変異を繰り返す厄介なウイルスについて、
大町総合病院事業管理者の藤本先生に御見解をお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
病院事業管理者。 〔
病院事業管理者(藤本圭作君)登壇〕
◎
病院事業管理者(藤本圭作君)
オミクロンBA.2株の対応についての御質問にお答えいたします。
コロナウイルスはアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、オミクロンと次々と変異を繰り返しております。これはもう議員御案内のとおりでございます。
オミクロンBA.2はBA.1と比較しまして、潜伏期間が半日ほど短い、より感染力が高いとされております。しかしながら、入院率など重症化率は同等でございます。また、ワクチンの有効性もBA.1とほぼ同等と言われております。 国内でもBA.2の割合が増加する可能性があり、もう既に沖縄ではかなり増えておりまして、そのせいで患者数も大分増えておりまして、一旦ピークがあって、また再びピークになろうとしておりますので、今後、恐らくこれが東京とか都心にいきますと、またそういうことが起こり得る可能性があると思うんですけれども、その波がどうなるか、今後注目していきたいというふうに思っております。 ただ、BA.2の株に限らず、
コロナウイルスにおける感染対策は従来と同様でありまして、3密を避け、不織布マスクを正しく使用し、小まめな手洗い、手指消毒の励行、換気といった基本的な感染対策の徹底に尽きると考えております。また、これに加えまして、3回目の
ワクチン接種を、可能な限り速やかに行うことにより、感染拡大の抑制と重症化の予防を図るということは重要であると考えております。今後の動静の推移を注視してまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君)
ワクチン製造会社である
ファイザー社とモデルナ社との混合接種の有効性についてお伺いしたいと存じます。
○議長(二條孝夫君)
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(藤本圭作君) ワクチンの混合接種についての御質問にお答えします。
ファイザー社製のワクチンを2回接種しまして、3回目に
モデルナ社製のワクチンを接種した場合と、
ファイザー社製のワクチンを2回接種して、3回目も同様のワクチンを接種するということの比較、有効性につきましては、米国及び英国で調査されておりまして、いずれの
ワクチン接種におきましても抗体価の上昇を確認しておりまして、臨床的な有効性を支持する免疫応答が認められるとともに、副反応は全てのワクチンの組合せで同様と報告がされております。強いて言えば、モデルナでリンパ節が少し腫れるという、そういった頻度は若干高いとは言われております。 日本では3回目の接種量は海外と異なることが注目すべきであります。海外では100ミリなんですけれども、日本では3回目は半分の50ミリ、厚労省で許可されているのは50ミリということなので、そこに注意する必要があるんですけれども、ただ、イスラエルでの報告がありまして、これは日本と同じく3回目のモデルナは半量ということなんですね。そこで抗体価を調べているんですけれども、42倍ということで、通常の3回目の
ブースター接種に比べると非常に抗体価の上昇は高いということなので、人種の違いがあるとしても、かなり有効性は高いんだろうというふうに思います。また、副作用も比較をすると、そんなに大きなものはないというふうに報告をされています。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 病院内の医療従事者の皆さん、そして職員の皆様方は常に感染リスクにさらされる中、変異を繰り返す感染症に日々、緊張を強いられながら最前線で業務に携わっておいでです。誠に心より感謝申し上げ、敬意を表するところでございます。 先頭に立って従事されている事業管理者としての御心境についてお伺いしたいと存じます。併せてこの厄介な
コロナ感染症は病院事業と病院経営にどのような影響があるのでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(二條孝夫君)
病院事業管理者。
◎
病院事業管理者(藤本圭作君) 御質問にお答えいたします。 まず、事業管理者としての心境ですが、
新型コロナウイルス感染症への対応はもう既に2年の長期にわたっておりまして、しかも
コロナウイルスも変異をどんどん変えて、それぞれによってやっぱり特性が違うということもありまして、感染流行の波が何度となく生じまして、今後の動向も不透明でございます。 当院は
大北圏域唯一の
感染症指定医療機関として、重い役割を担っているというふうに考えております。これまで職員一丸となってその責務を果たせるように努めてまいりました。私は昨年4月からの事業管理者、病院長として赴任しておりますので、できる限りの努力をしてきたつもりでございますが、何より今は、この2年間、コロナと闘ってきた医師、看護師をはじめ、コメディカル、事務員など、全ての職員に感謝をし、労をねぎらいたいという思いであります。まだまだコロナの対応は続くわけですが、職員と共に全力で立ち向かってまいりたいと考えております。 あわせまして、感染対策として、入院患者様の面会制限や玄関での検温など、市民の皆様にも御協力をいただいておりますことや、市民や企業様からの御寄附、大北医師会の先生方や市役所の職員からもコロナ対応に御支援をいただいておりますことを、この場をお借りしまして感謝申し上げたいというふうに思います。 次に、病院経営の影響ですが、もちろんございます。感染の拡大によりまして、通常の診療あるいは人間ドック、そういった事業などを制限せざるを得ないということや、患者様の受診控えなどによる経営への影響は相当程度あります。これは当然、うちの病院に限ったことではなくて、日本全国どこでもそうでございますが、ただ、国とか県の補助、市の支援などを活用して経営への影響を最小限にするように努力しております。 また、令和4年度は分娩の再開や常勤医師の増員などありまして、今後、医師の働き方改革ということがございますので、そういったことを含めて
医療提供体制の充実とともに、引き続き健全な病院経営を目指してまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 病院全体で大変に御苦労されているということがよく分かりました。ぜひ健康に御留意されて、引き続きよろしくお願い申し上げます。 次に、市独自の経済対策における市長のお考えについてお伺いをいたします。
まん延防止期間延長も加わり、コロナ禍が長期化する中で、飲食業、宿泊業、観光業等々、様々な業種で大変逼迫した状況となっております。先頃の新聞報道によりますと、
大町商工会議所が市内事業者を対象に
新型コロナウイルスの影響を調査したアンケート結果では、コロナ禍が長期化すれば、事業所の33%が廃業を検討とありました。大変衝撃的でございました。 市の
中小企業向け融資制度、
新型コロナウイルス感染症対策特別資金は、借入れ後3年間の金利と信用保証料を市が負担、2年間の返済猶予を1年間延長し、3年間とするとの報道がありました。先の見えない中で、いずれにしても借りたお金は返済しなくてはならず、かといって景気が急激に上向くとも考えにくく、経済回復もすぐには見込める状況にありません。 大町市では一昨年から、
新型コロナ克服戦略おお
まち再生プランに基づき、様々な手だてを講じてまいりました。本年度、直近でも市独自で
新型コロナウイルス感染症対策山小屋支援金、スキー場における
新型コロナウイルス感染症対策事業支援金等々、様々な業種への支援がずっと続けられてきております。本当に困っている方々へ、ぎりぎりで苦慮されている方々に、そして市としてどの程度まで支援が行き届けられるのか等を考えますと、緊張感がある公平さと公正なバランス感覚のある判断が求められます。 大変厳しい財政運営の中で、市独自の経済対策についてどのような思いを持って予算づけし、対応するのか、市長のお考えをお伺いいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 市独自の経済対策について、御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症は全国で爆発的に感染が拡大しており、県内におきましても
まん延防止等重点措置が適用され、期間も3月6日までとなっております。この長引くコロナ禍により、当地域では宿泊、飲食業をはじめ、多くの分野で大変厳しい状況が続いており、本格的な回復までにはなお長い時間を要するものと考えております。 特に事業者の皆さんには本当に様々な経済活動上の制約がある以上に、先が見えないということで、先ほど議員の御紹介にありました廃業しなきゃいけないかもしれないという、3分の1の皆様がそのように悩んでおられます。 こうした先の見えないコロナ禍におきましては、特に市民の皆様の健康と命、暮らしを守ること、そして今、申し上げました市内事業者への支援により、地域経済の一日も早い再生は何よりも優先しなければならない2つの重要な命題でございます。 これまで市では、国・県の
地方創生臨時交付金や
事業者支援交付金などを最大限に活用し、様々な支援策を実施してまいりました。新年度におきましても、これまでの生活支援や経済対策の効果を注視しつつ、
地方創生臨時交付金の充当残額約2億円の活用に併せ、さらに一般財源を投入し、市独自の施策を厳選し、相互に組み合わせ、一層効果的な経済対策を進めてまいります。 感染症の影響は長期にわたっており、コロナ禍から脱却し、経済再生を図る過程におきましては、地域の特性や産業分野ごとに必要となる支援策の規模や時期も異なりますことから、今後も市民生活や地域経済の状況をしっかり見極め、きめ細かな支援が必要な分野、必要とされる市民の皆様に確実に行き届きますよう細心の注意を払いつつ、限りある財源を最大限効果的に活用してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 人口減少、少子高齢化等々、慢性的な様々な難しい問題もある中、加えて世界中がこの変異を繰り返す厄介な
新型コロナウイルスにより、社会、経済等、様々な面で状況が一変してしまいました。 じわじわと人々を分断させるこのウイルスについて、市全体を見渡したときに、市長としてどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 人口減少や少子高齢化が進む中、このコロナ禍をどのように考えるかとのお尋ねにお答えいたします。
新型コロナウイルスは、2年前に初めて確認されてから度重なる変異を繰り返し、全世界的に感染が蔓延しており、我が国におきましてもいまだ終息の兆しは見えておりません。この感染の拡大防止のため、市民の皆様にはこれまで圏域を越えた移動の制限や飲食店の休業などの行動制限が強いられており、また、それに伴い、地域経済も大きな影響を受けております。 市では、市民生活を守るため、様々な給付金の支給や市税、上下水道使用料等の猶予、減免、また、地域経済の支援策としてプレミアム商品券や宿泊キャンペーン、テイクアウトフェア、あるいは事業者に対しましても制度融資資金や支援金等により、国や県の支援が十分行き届かない分野でも目配りし、必要な支援に力を尽くしてまいりました。新年度におきましても、引き続き市民生活と地域経済を守るための支援に力を尽くしてまいります。 また、感染症は誰もが感染する可能性があり、一人一人が思いやりの心を持ち、地域で支え合い、助け合うことが重要であり、引き続き偏見を持つことをせず、絶対に差別をしないよう市民の皆様に理性ある行動をお願いしてまいります。
新型コロナウイルスとの戦いは現在なお終わりが見えず、市民の皆様には引き続き自らの命と健康を守るため、徹底した感染対策と早期の
ワクチン接種をお願い申し上げますとともに、持続可能な地域社会の構築に向け、一日も早い終息を目指し、市を挙げ、力を尽くしてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 次に、2点目の教育行政についてお伺いをいたします。 コロナ禍における
オンライン授業の実態と課題についてをお聞きいたします。 GIGAスクール構想で整備した情報端末、1人1台が活用できるようになって、もうすぐ1年となります。小学校低学年ではまだ十分な操作に至らない部分もあるように聞いております。コロナ禍により昨年度のような休校はございませんが、最近は当市でも子どもの感染が広がり、学級閉鎖、学年閉鎖が相次いでありました。そんな中、活用が期待される
オンライン授業の実態と課題について伺います。 文科省は、新年度からICT活用の準備状況調査が始まります。学校休業などにより、やむを得ず登校できない児童・生徒にICTを活用して学習指導を行い、その準備状況を調査するとしております。情報端末を児童・生徒が自宅に持ち帰り、自宅から集団活動に参加できるようにするとなっております。 当市は日常的な持ち帰りはされておりません。不登校児童・生徒にとって、学活等を通じてクラスの一員として存在があったり、絆が深まったり、クラスの中でのつながりができればと考えます。教育委員会のお考えを伺います。 また、ICTを活用されないのであれば、不登校児童・生徒とのコミュニケーションツールとしてLINE等、SNSを活用し、少しでも関係をつなげるよう考慮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) GIGAスクール構想による
オンライン授業の現状と課題についての御質問にお答えいたします。 当市では一昨年11月までに児童・生徒1人1台のICT端末の導入が完了し、これまでに教職員の研修とともに、児童・生徒には使用上の注意や情報モラルについての基礎的な学習と操作の習得や情報の収集、整理、発信等の学習を通じ、情報活用能力の育成を図りながら、プログラミング学習などに取り組んでまいりました。 また、コロナ禍のため、保護者の来校を制限せざるを得ない状況の中で、オンラインによる授業参観や運動会のオンライン配信、姉妹都市立川市との双方向による生徒間の交流など、様々な取組にも活用してまいりました。 全国の自治体を対象に文科省が行った本年1月末時点の臨時休業中における端末の持ち帰り学習に関する準備状況調査では、公立小・中学校では95.2%が持ち帰りの準備が整っているとの回答となっております。 御質問の端末を活用した家庭学習につきましては、当市では毎日の持ち帰りは行っておりませんが、災害時や長期休業に備え、昨年から試験的に持ち帰りを実施をし、家庭における通信環境の確認や簡単な家庭学習を行ってまいりました。 こうした取組の結果、年明けからの
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学級閉鎖や学年閉鎖の際にも家庭へ端末を持ち帰り、オンラインによる授業や家庭学習を行うことができました。また、やむを得ず登校できない児童や生徒の活用につきましても、ICTを活用して家庭から授業に参加をし、学校やクラスの一員としてコミュニケーションを図る取組が一部で始まっております。 次に、この効果や課題等につきましては、先般、市内教職員の情報教育研究委員会をリモートで開催をしたところ、家庭での学習にとどまらず、オンライン朝会での健康観察を通じて規則正しい生活習慣の維持が図られ、友達や先生の顔を見ながら会話をすることで精神的な安定感につながる効果が大きいとの御意見もいただきました。 一方、課題としましては、教職員用の端末が不足をしているとの意見や、担任1人で授業を行い、端末を操作すると画面での児童・生徒の様子を十分に観察することができず、機器の操作に苦慮するケースもあり、ICT支援員等のサポートが欠かせないとの指摘もございました。また、オンラインによる授業は法定の授業時数にカウントされないという課題もございます。 なお、教職員用端末の不足解消につきましては、本定例会に御提案をしております補正予算において国の補助金を活用し、購入する予定でおります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 大分浸透して、有効活用がされてきているというふうに認識しました。その中ですが、授業日数というか、授業時間にカウントされていないというようなことは、今後についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(荒井今朝一君) この点は、私どももこういう緊急事態については法の整備をしていただきたいということで県教委等へお願いをしてございますが、これは学校教育法の施行規則の中に入っている問題でありますので、すぐに対応はなかなか困難ではないかと思っているところであります。
○議長(二條孝夫君) 岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) そういうお時間も貴重なものでございますので、ぜひカウントしていただけるように御配慮いただきたいと存じます。 次に、新年度から始まる教科担任制への対応をお聞きいたします。 小学5、6年生を対象に一部教科を専門の教員が教える教科担任制が4月から始まります。大町市では専科教員が配置されている場合は、以前から理科や音楽等については既に行われております。今までの学級担任制は担任が全教科を教え、共に過ごす時間も長く、児童の学習状況やクラスでの人間関係の変化等を気づきやすいところがございました。教科担任制になりますと担任のほかに複数の教科の先生方との関わりも多くなります。導入の目的と課題についてお伺いいたします。 また、児童と先生方との信頼関係をどのように築いていくのが望ましいとお思いでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) 小学校教育における教科担任制の導入についての御質問にお答えをいたします。 現在の小学校教育におきましては、学級規模に応じて配置をされる音楽、理科などの一部教科を除き、学級担任が指導する学級担任制が採用されており、専科の教員が配置されない小規模校では全教科を担任が指導するような場合もございます。 一方、時代の変化に対応し、従来の日本型教育を発展しつつ、個別最適な学びや協働の学びの実践を通じて、子どもたちの可能性を最大限に伸ばす、いわゆる令和の日本型教育を実現することを目的として、昨年4月の中央教育審議会において、新年度から小学校高学年について、中学校と同様に、教科ごとに専門の教員が指導する教科担任制を導入することが必要との答申がなされ、これを受け、文科省では小学校高学年の教科担任制導入のために今後4年間で3,800人程度の教員の増員を計画し、新年度は950人の増員を図ったところでございます。 本県では国の動向を先取りし、新しい学習指導要領の導入に併せて新たに導入された英語教育については、令和元年度から複数校を兼任して巡回する方法により専科指導を行っております。当市では、市内の小学校と郡内の小学校の兼任配置が実現をしており、独自配置のALTによる指導と併せて英語教育の充実に成果を上げているところでございます。新年度から増員になる専科教員は全県で19人のみで、当市には南小学校に0.5人が配置されることになりました。 御質問の教科担任制導入の目的は、各学年での履行課題を一貫して捉え、カリキュラムマネジメントの実践を通じ、義務教育9年間を見通した幅広い指導を実現することです。しかし、十分な配置が実現できない現状では、巡回指導や臨時的な講師に依存することとなり、小規模校等への対応を含めて、今後の指導体制は不透明な状況にございます。 また、児童と教員の信頼関係につきましては、複数教員の指導により学級担任と連携を取りながら、幅広く児童の個性や交友関係等を観察ができ、多様な課題解決につながるきめ細やかな指導や相談が実現することが期待をされております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 今、お伺いしたところでは南小のほうに0.5人ということでありますので、これでは十分な配置とはいえず、では、どのように進めていくのかというのが非常に難しいので、多分、教育委員会としても苦慮されていることだと存じます。ぜひとも増員をして、きちんときめ細かな指導に向けては、やはりもう少し人的な配置も十分でないとできないというふうに思われますので、その辺については県のほうにもしっかり要望を出していっていただきたいと存じます。 それから再質問でございますが、小規模校では学校内の教員だけでは実施が難しいと思われますが、どのように工夫されるのでしょうか、お尋ねをいたします。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(荒井今朝一君) ただいま御提案がございましたように、配置が十分でないと専科指導と申しましても実現が難しいと。県教委のほうを通じてしっかり要望してまいりたいと思います。 御質問の小規模校における教科担任制等についてでありますが、これは国の施策であることは今、申し上げたとおりで、何とか国へ要望しなければいけないんですけれども、例えば1学年1学級程度の小規模校においては、先ほど私、御答弁申し上げたように、各教科の教員が複数の学校を兼務をして巡回指導する方法などにより実現する方向でいるというふうにお聞きをしております。 当市におきましては、こうした国や県教委の取組とは別に、小規模校である八坂小・中学校や美麻小中学校では当市としての独自の取組を行っておりまして、八坂小・中学校におきましては英語や理科、美術や音楽などの一部の教科で、小学校と中学校が相互に先生方が往来をしながら、複数の免許を持っていないとできないんですけれども、そういうことをしたり、あるいは美麻小中学校の全課程では、免許を複数持っている先生方を活用して、5年生以降、全ての教科で教科担任制を既に実現をしているという状況にございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) コミュニティースクールということで独自の取組をされていて、なおかつもう既に導入もされているということですので非常に安心いたしました。ただ、これが複数の教科担任の先生の資格があればの話でございますので、そうではない場合のことも当然あるわけでございます。ぜひとも一日も早い教科の担任制がまんべんなく行われるように願っております。 続きまして、
放課後子ども教室の現状をお聞きいたします。
放課後子ども教室は平成30年10月に大町南小学校でモデル事業として始まり、市内全域へと広がりを見せているところでございます。
放課後子ども教室の現状はどのようになっているのでしょうか。併せて効果についてと課題についてもお聞きいたします。また、指導されている先生方への謝礼はどのようになっているのでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。 〔教育次長(竹内紀雄君)登壇〕
◎教育次長(竹内紀雄君)
放課後子ども教室の現状と今後の取組についての御質問にお答えいたします。
放課後子ども教室はコミュニティースクールと一体となり、地域住民の方々から学校運営に参画いただき、地域と学校が相互に協力し、開かれた学校づくりを進める地域学校協働本部活動の一環として、放課後を活用して、南小学校、北小学校、第一中学校、美麻小中学校で実施をしております。 具体的には、南小学校と北小学校、第一中学校では、毎週水曜日にボランティアの方々による学習支援を実施しており、美麻小中学校では美麻スクールパートナーズというボランティア組織を立ち上げ、参画する住民により毎週火曜日、木曜日の学習支援のほか、毎月、学校周辺での自然観察や星座の観察、木工工芸などを実施しており、地域に根づき、開かれた学校運営や青少年の健全育成に着実な成果を上げております。 また、東小学校や西小学校、八坂小・中学校や仁科台中学校では、現在のところ、
放課後子ども教室は開催しておりませんが、これまで進めてまいりましたコミュニティースクールの一環として、学校環境の整備や英語の学習の支援、郷土芸能の指導など、多様な活動に地域住民の方々からボランティア活動として参画をいただいているところでございます。 放課後のために市民バスの時間帯や保護者の御協力が必要になる場合もあるなど、幾つかの課題もあり、地域学校協働本部の組織化を進め、
放課後子ども教室の拡充にも取り組んでまいります。なお、指導いただいている先生方の謝礼につきましては、基本的にはボランティア活動であることを前提としております。学習指導の準備等に要する費用として1時間1,000円の薄謝にとどめていることを御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 全市的に見た場合にはちょっとばらつきがあるのかなというふうには思われます。ぜひこの解消を一日も早く進めていただきたいということと、それから1時間1,000円というお金が果たしてそれが見合っているものなのかどうなのかということも含めまして、何か一部ではちょっと少ないんではないかという声もちらほら聞こえておりますので、ぜひこれについても善処していただけたらと存じますが、どのようなお考えでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) ただいまのお尋ねにお答えいたします。 まだ
放課後子ども教室を実施していない学校につきましては、今までもボランティアの方々に御協力いただいておりますが、その中から指導できる方々がいらっしゃるところから進めてまいりたいと思います。できるだけそういった活動に参加していただける人材といいますか、教えてくださる先生方を探しまして、早期な開設について目指してまいりたいと思います。 そして、指導してくださる先生方の処遇についてでございますが、
放課後子ども教室につきましては学校から出される宿題のほか、復習や予習、そうした指導や助言、学習の支援が基本となってございますので、教職員の経験者を中心にやっていただいているところでございます。先ほど御答弁申し上げましたとおり、基本的にはボランティア活動であることを前提としておりますことから、県の地域学校協働本部に対する補助金の交付要項を参考にして、1,000円というような金額を設定しておりますので、この点、御理解いただきたいと思います。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) OBの先生方、そういった外部人材の活用ということも重要な視点でございます。そして、やはりよい先生方を集めていくということになりますと、やはり待遇のほうの改善も進めていっていただきたいというふうに思います。なかなか人材を確保していくということもこれから難しくなるように思われますので、ぜひとも待遇改善についても前向きに進めていただきたいと存じます。 続きまして、3点目、障害者福祉についてお聞きをいたします。
医療的ケア児支援法への対応は、これについての質問でございます。 厚生労働省によりますと、医療的ケア児は2020年の推計で、全国に約2万人おり、10年でほぼ倍に増加しているそうでございます。昨年9月、
医療的ケア児支援法が施行されました。保育園や学校に看護師の配置や家族の離職防止も掲げられております。適切な支援の実施は国や自治体の責務と明記されております。 そこで、市としての対応について伺います。特に家族の離職防止への取組はどのようになるのでしょうか。医療的ケア児は原則、保育園、学校等が利用できます。保育園等で受入れ可能な医療的ケア児はたんの吸引や導尿、経管栄養等ですが、今後どのように対応していくのかお伺いをいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君)
医療的ケア児支援法施行に伴う保育所の受入れ態勢についてお答えをいたします。 昨年9月に施行されました
医療的ケア児支援法におきましては、日常生活を営むため、恒常的に人工呼吸器による呼吸管理やたんの吸引、その他の医療行為を受けることが必要な児童やその家族に対し、国や地方公共団体、保育所の設置者等が支援することを義務づけております。 現在、市では保育園に看護師1名を配置し、市内7園の入所児童の医療ケアを実施しておりますが、たんの吸引や人工呼吸器が必要な児童の受入れにはそれらの処置を行う看護師が常駐する必要があり、現時点では困難なものと考えております。 今後、医療ケアが必要な児童の入所希望があった場合に備え、今から受入れに向けた態勢の整備について検討してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) ケース・バイ・ケースということもありますが、ぜひきめ細かな対応をしていっていただきたいというふうに思います。 次に、
重度心身障害者等の緊急困難時における対応についてお聞きをいたします。
重度心身障害者等は親との同居のケースが多く、介護する親等の緊急入院など困る状況のとき、日中活動は居場所ができつつありますが、夜間においては受皿も少なく、医療的な行為が伴う場合、看護師を確保し、常駐することが困難であります。 緊急避難的に医療ケアと障害福祉サービスを併せて受けられるような体制づくりはできないものでしょうか。
大町総合病院内に国の制度を利用して療養介護ができるような場づくりはできないでしょうか。このように以前も質問をいたしましたが、その後、検討されたのであるならば、経緯についてお伺いしたいと存じます。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 緊急避難的な医療ケアと障害福祉サービスと併せて受けられる体制づくりの検討状況についてお答えいたします。 大町病院の要請につきましては、コロナの感染拡大以降、感染症指定病院としてのその対応を最優先に取り組まれておりますことから、積極的な相談は控え、現時点では具体的な検討には至っておりません。 緊急時の対応に当たり、地域資源の整備状況といたしましては、短期入所による一時保護や在宅における自立生活援助は可能でございますが、一方で医療ケア等の連携が課題となっております。また、障害者本人や介護を担う家族の高齢化等に対する不安の声もあり、重要な課題であることは認識しております。 今後、地域資源の整備強化に努めるとともに、コロナ感染状況を注視しながら改めて大町病院へ対応について要請してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。岡秀子議員。
◆14番(岡秀子君) 現状は高齢化が進んでおりまして、もう待ったなしのような状況になっております。ぜひきめ細かく、そして手厚く対応していただくように希望して終わりといたします。 本日はありがとうございました。
○議長(二條孝夫君) 以上で岡秀子議員の質問は終了いたしました。 ここで、11時15分まで休憩といたします。
△休憩 午前11時00分
△再開 午前11時15分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続いたします。 質問順位第12位、太田昭司議員の質問通告は3項目です。太田昭司議員の質問を許します。太田昭司議員。(拍手) 〔5番(太田昭司君)登壇〕
◆5番(太田昭司君) 皆さん、こんにちは。公明党の太田昭司でございます。 それでは、通告に従いまして、1、孤独・孤立対策と
居場所づくりについて、2、子ども支援と教育について、3、
文化芸術振興について、大きく3点にわたり質問いたします。 初めに、コロナと闘う全国の医療従事者、そして大町市内の医療従事者の皆様に対し、心より感謝申し上げますとともに、心より敬意を表します。 それでは、質問に移ります。 日本は今、人口減少、少子高齢化、核家族化が進み、単身世帯、単身高齢者が増加しています。また、社会環境も大きく変化する中、地縁、血縁などの関係性やつながりが希薄化し、人々がお互いに支え合う機会が減少し、人々が生きづらさや孤独感を感じるような状況を生み出しております。また、一昨年から続くコロナ禍により、これまで日本が抱えてきた課題、問題がさらに深刻なものとなっています。 そのような中、昨年の暮れの12月28日に、政府は孤独・孤立対策の重点計画を閣議決定しました。この重点計画では、孤独や孤立は人生のあらゆる場面で誰でも起こり得るとしており、社会全体で解決するべき問題であると指摘しています。 初めに、この重点計画を受け、大町市として孤独・孤立対策にどのように取り組んでいくべきとお考えか。また、これまでどのような取組が行われてきたのかお聞きいたします。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員の質問に対する答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 市における孤独・孤立対策についての御質問にお答えいたします。 孤独・孤立の要因は、高齢者世帯の増加や核家族化、子育てに対する不安、いじめや虐待、不登校、ひきこもりなど、多岐にわたっております。また、昨今では
新型コロナウイルス感染症による地域での交流や活動機会の減少や生活困窮など、社会的な影響や経済的影響も新たな要因となっております。 このため、孤独・孤立への対応に当たりましては福祉や子育てをはじめ、あらゆる部署が連携し、情報を共有し、取り組むことが必要と考えております。また、行政のみならず社会福祉協議会や自治会、民生児童委員、福祉関係機関などと連携し、社会全体が協力し、取り組んでいくことが大変重要となってまいります。 孤独・孤立対策に関するこれまでの取組といたしましては、個別に相談のあった場合にはケースワーカーが状況を把握し、内容に応じ、社会福祉協議会や家庭児童相談室などの必要な支援につなげるとともに、様々な問題に対する相談窓口や専門機関を紹介するほか、民生委員や主任児童委員、地域住民による見守り活動などを行っております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ただいま孤独・孤立対策についてお取組を御答弁いただきました。大町市におきましても様々な取組が行われてきたこと、また、今後の対策についても行われていくということがよく分かりました。 特にコロナ禍において孤立しがちな方々に寄り添い、生活と命を守るお取組をいただいております福祉関係者の皆様、社協の皆様、また自治会、民生児童委員の皆様、ケースワーカーの皆様、また地域の皆さん、本当に皆様には心より敬意を表したいと思います。 さて、国の孤独・孤立対策の重点計画ですが、この計画の中で求められている具体的な取組として、相談体制の強化、
居場所づくり、そしてアウトリーチ型、つまり訪問型の支援が上げられております。相談体制の強化とアウトリーチ型の支援については、これまで私も何度か質問させていただきました。 今回、特にお聞きしたいのが
居場所づくりであります。今、大町市内、特に中心市街地において若者による新たな居心地のよい居場所が生まれております。このように若者たちは本来の行動力、活力を生かして自分たちの居場所を積極的に生み出しております。一方、特に居場所が必要である高齢者、障害者、ひきこもりや不登校の子どもたちなどは、自分たちで居場所をつくることは困難であり、このような方々の思いを聞き、居場所を設けていく取組は大変に重要であります。 初めに、大町市の未来の宝であります子どもたちの居場所についてお聞きしたいと思います。今、児童・生徒の不登校が大変に深刻であります。このような学校に行きたくても行けない児童・生徒たちの居場所が市内にどれぐらいあり、どのような活動を行っているかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 子どもたちの居場所についての御質問にお答えいたします。 市内の子どもたちの居場所につきましては、現在、市の委託事業として、子ども・若者社会参加支援事業を実施する3つのNPO法人のほか、個人が行うフリースクールが1か所あり、居場所支援や学習支援を行っております。 子ども・若者社会参加支援事業につきましては、不登校やひきこもり状態にある方に対し、訪問支援、フリースペースにおける居場所支援のほか、就労支援や学習支援等を行うことにより、若者の社会的参加を促すことを目的としており、相談、訪問、居場所、学習、就労支援の5つの支援メニューを実施しております。 このうち相談、訪問支援は、市と教育委員会が窓口となり、相談を受け付けており、これに加え、市や教育委員会に相談しにくい方にも対応できるよう委託先のNPO法人でも相談に応じております。また、この相談窓口の担当者は、県のひきこもり支援センターが開催するひきこもりサポーター養成研修を定期的に受講し、ひきこもりに関する知識、技術を習得し、相談者の様々な悩みに対応できるよう努めております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大変によく分かりました。 つい先日、不登校経験者による講演会に私も参加させていただきまして、お話をお聞かせいただきました。不登校経験者の赤裸々な体験をお聞きしまして、不登校の子どもたちに寄り添ったシーンというものがどれほど重要かを知りました。 彼らにとって同じような境遇にある人が自分以外にもいるんだと知ること、そしてそのような仲間同士が一緒に集まり、語り合える場があるということが、どれほど子どもたちにとって大きな癒やしとなることでしょうか。ぜひこのような取組を市としても今後も全力でサポートしていただきたいと願うものであります。 さて、地域のつながりが希薄化し、また核家族化が進む現在において、孤立感、孤独感を抱きやすい子育て世代のママさんたちの居場所は特に重要であります。そのようなママさんたちのために市が行っている親子フリースペース事業についてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 親子フリースペース事業についてのお尋ねにお答えをいたします。 この事業は、赤ちゃんとママのゆったりスペースの名称で、子育て世代包括支援センターあおぞらが中心となり、親子が安心して過ごせる場を提供し、出産後の心身が不安定になりやすい時期を保育士や保健師が支援するとともに育児を楽しみ、お母さん同士が交流することによりネットワークが広がることを目的として、昨年5月から保健センターにおいて実施しているものでございます。 議員御指摘のとおり、近年の少子化や核家族化の進行に伴い、育児の孤立化が危惧される中、不安や孤独、ストレスを抱えるお母さんの声も多く聞かれており、交流や気軽に相談できる居場所の必要性が高まっているものと考えております。 コロナ禍におきまして、現在、完全予約制で1回6組としておりますが、参加したお母さんからは、コロナ禍で家に籠もりがちな中、親子で安心して外出でき、広い場所で伸び伸びとお子さんを遊ばせられること、また、同じ悩みを持つお母さん方との情報交換の場にもなり、参加してよかったといった感想もいただいているところでございます。 新年度予算にクッションマット2枚の購入費を計上しております。より安心して過ごしていただけるよう環境の整備についても充実を図るとともに、妊産婦や子どもへの支援を継続的に実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大変によく分かりました。孤立した中で子育てを強いられる現代ほど、子育て中のお母さんたちに対する支援が必要なときはないと思います。以前にも質問させていただきましたが、不安に陥りがちな子育てママさんたちにとって、オアシスのような存在であります子育て世代包括支援センターあおぞらのお取組に心から御期待申し上げます。 さて、今、子どもの居場所が特に注目されております。特に子ども食堂などは全国的に広がっております。また、子ども食堂のような形態にかかわらず、子どもの居場所と言われるような場に高齢者の方々などが精力的に関わり、かつて現役時代に培った様々な技能や知識、経験を生かしながら集まってきた子どもたちの学習支援や読み聞かせを行ったり、工作やクッキングなどを教え、一緒に楽しむような取組が広がっております。 このような多世代が交流し、お互いに刺激を受け合うような居場所の取組は地域の様々な課題を同時に解決してくれると言われます。子どもたちを中心とした
居場所づくりは、実は高齢者の方々にとっても居心地のよい
居場所づくりにもなっているのです。これはかつて当たり前に存在していた地域のつながり、また、多世代が一つの家に同居する大家族のつながりを現代によみがえらせる取組と言えるのではないでしょうか。 かつては大家族の中で子どもたちは様々なことを学び、近所のおじいちゃん、おばあちゃんと接しながら大人になっていきました。そしておじいちゃん、おばあちゃんも孫や近所の子どもたちから元気をもらっていました。大町でもこのような高齢者が生きがいを持って子育て支援に参加できるような多世代の
居場所づくりを検討してはどうでしょうか。このような場所があれば、高齢者の孤独・孤立問題も解消するはずです。 また、市街地に市営住宅の建設も計画しているとお聞きしております。この市営住宅からも大町病院からも福祉センターからも近い中心市街地に多世代交流施設を設置することで、市街地のにぎわいも生まれるはずです。市のお考えをお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 民生部長。
◎民生部長(曽根原耕平君) 多世代の
居場所づくりについての御質問にお答えいたします。 現在、子育て支援対策としましては、不登校など様々な理由で支援が必要な児童の
居場所づくりとして、先ほど御答弁申し上げました通所による受入れを実施しております。 一方、高齢者の生きがいづくりにつながる取組としましては、地域における3世代交流として、わら細工や竹細工、おやき作りやそば打ち体験などが行われており、高齢者の皆さんが経験や知識を生かして講師を務める機会となっておりますが、年間を通して交流ができる多世代の居場所につきましては、現在のところはございません。 議員御提案の高齢者が生きがいを持って日常を暮らせる機会として、子育て支援の場を利用することは、高齢者のみならず子育て支援の充実を図る上でも有効な手段と考えられます。このため、市といたしましては、御提案の趣旨を踏まえ、県内の先進事例などを参考にしながら、多世代交流が可能な事業について研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 多世代交流の
居場所づくりについて前向きな御答弁をいただきました。 市内には様々な目的を満たすためにつくられた場所がございます。しかし、明確な目的がなくともふらっと立ち寄ることができて、初めは1人のお客として迎え入れられていたのがいつの間にか誰かを迎え入れ、誰かのためになり、そしてお互いの存在を認め合い、価値を生み出し、価値を享受できるような居場所が普通にあるようでなかなかなかったのではないでしょうか。 子どもも大人も高齢者も障害のある人も、ただそこにいることを受け入れられ、そして同時に誰かの役に立てるような居場所が大町市に、そして中心市街地に求められているように感じます。ぜひそのような誰もが集える交流の施設の設置を今後も検討していただきたいと思います。そして、そのような居場所をつくりたいという民間の動きがありましたら、ぜひ後押ししていただきたいと強く願いまして、次の質問に移ります。 コロナ禍により子どもを取り巻く環境が大きく変わり、子どもたちの人権が脅かされるような事案も急激に増加しております。大変に痛ましい事件、例えば虐待、自殺などが増加し、そんなニュースを聞くたびに胸が締めつけられます。 そのような中、大町市におきましても、子どもたちを守るための新たな事業が新年度の予算に盛り込まれました。この新たな事業であります子ども見守り
サポート事業についてですが、12月議会の質問の中でも触れました。子ども政策の推進に係る有識者会議の提言にもありましたアウトリーチ型、訪問型の子ども支援でございます。ぜひその詳細をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。民生部長。 〔民生部長(曽根原耕平君)登壇〕
◎民生部長(曽根原耕平君) 子ども見守り
サポート事業についての御質問にお答えいたします。 この事業は子育て支援事業所に委託し、特に支援を要する子育て家庭について、訪問または通所により食事の提供や学習、生活支援等の支援を通じて、児童とそのご家庭の状況把握を行うことにより、地域社会から孤立しがちな子育て家庭をサポートすることを目的として新年度新規事業として実施するものでございます。 その中で、アウトリーチ型の支援としましては、居場所支援につながりにくい家庭に対し、児童の食事を自宅へ届ける配食サービスや、訪問により家庭内での学習支援や相談支援を行うことで、コロナ禍で様々な困難を抱える家庭や児童に関する見守り支援体制を強化し、児童やその家庭に適切で必要な支援となりますよう取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大変よく分かりました。コロナ禍において子どもたちの状況も非常に厳しくなっていると私も強く感じております。子どもたちをしっかりと見守る体制の整備、大変に重要な取組になると思っております。心より御期待申し上げます。 さて、繰り返しになりますが、長期化するコロナ禍にありまして、子どもたちの環境は大きく変化いたしました。そのような中、子どもたちの心にも見逃すことのできない変化が生まれております。市内のある学校では、本年度になって例年よりも子どもや保護者からいじめを見た、また、いじめがあると聞いたとの報告が増えているとお聞きしております。 初めに、市内小学校のいじめの状況についてお聞きいたします。また、学校現場、教育委員会のいじめ対策の取組についてお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) コロナ禍の中における小・中学校のいじめの状況と対策についての御質問にお答えいたします。 いじめ防止対策推進法では、いじめについて一定の人間関係にある他の児童・生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為で、対象となった児童・生徒が心身の苦痛を感じているものと定義をしており、何らかの行為により肉体的に、または精神的にいじめと感じた場合は全ていじめ行為として取り扱うこととされております。 学校においては、毎年実態調査を行っており、こうした法の原則に基づいて注意深く調査を徹底してきた結果、平成27年度には小・中学校合わせて年間13件だったものが令和元年度には152件まで増加をしております。しかしながら、その多くは冷やかしや悪口、軽くぶったり、たたいたなどで、担任や校内のいじめ対策委員会で適切な指導を行っており、過去5年間で教育委員会として直接指導に当たった案件は2件でございます。 こうした案件は、校内のいじめ対策委員会で報告をまとめ、双方から事情を聴取し、いじめ行為を行った児童・生徒には反省文を提出させ、最終的には保護者を交えた謝罪の会を、これは私も出席をさせていただいて開催をし、双方納得の上で解決をしてまいりました。 御質問の
新型コロナウイルスの感染が拡大した令和2年度におきましては、認知件数が79件と前年度に比べて大幅に減少をしております。この要因といたしましては、コロナ禍において児童・生徒間の交流が減少したことによるものではないかと考えております。 次に、学校におけるいじめの実態把握につきましては、いじめや不登校は未然防止や早期発見、早期対応が重要であり、道徳教育や人権教育の充実を図り、自他ともに尊重をする自己有用感の育成に努めるとともに、年間2回ないし3回のいじめに関するアンケート調査を実施いたしております。 また、SNSなど情報機器によるいじめについてはなかなか実態の把握が困難でございますので、ICTを活用して児童・生徒が日々の心の様子を表現する取組も進めており、早期に適切なタイミングでそれぞれの心理状態を把握しながら、声かけや具体的な支援を行っております。 今後も協働の学びを授業の根幹に据えながら、助け合い、そして協力し合うことで魅力のある学校づくりを進め、ささいな事案も見過ごすことなく、いじめの未然防止と早期発見、早期対応に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) いじめが若干減少しているというお話でございます。少々安堵をいたしております。子どもたちの安心・安全な学校生活と尊い命を守るため、日々御尽力いただいております学校の先生方、教育委員会の皆様にも心より敬意を表したいと思います。 ところで、全国的に学校でのいじめが増加傾向にあり、また、いじめが原因と見られる子どもの自殺も後を絶ちません。このようなニュースを聞くたびに、どうして誰も助けてあげることができなかったのかという強い憤りと切なさが込み上げてまいります。 昨年3月、北海道旭川市で中学2年生の女子生徒が遺体で見つかるという事件がありました。また、昨年11月には東京都町田市の小学校6年生の女の子が自ら命を絶ちました。旭川の事件では、亡くなった生徒の保護者が2年も前から学校に相談をしていましたが、学校側は否定、また、町田市の事件では、亡くなった児童がいじめを苦にしていた疑いがあったにもかかわらず、調査開始まで3か月以上がたっておりました。 こんな取り返しのつかないことになる前に、苦しんでいる子どもたちがすぐに相談できる場が早急に求められます。このように若い命がいじめなどで失われるような悲しいことがないよう、いじめの早期発見と解決に結びつけるために、独自の取組を始めている自治体もあります。大阪府寝屋川市は、弁護士にいじめの相談をした場合、弁護士費用など最大30万円補助する制度を設けました。また、つい最近では、埼玉県坂戸市が同様の事業費を新年度予算案に盛り込んだとの報道がありました。 ぜひ大町市でもいじめに苦しみ、わらをもつかむ思いで助けを求めている子どもたちを守るために、同様の取組を検討するべきではないでしょうか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。
◎教育長(荒井今朝一君) いじめを原因とする痛ましい事件が各地で起きており、こうした若い命が失われるということは誠に残念で、しかも悲しいことであると、そのように思います。 未然防止を図るとともに、いじめは常にどこの学校、どこの学級、どこの児童・生徒にも起こり得るという危機意識を持って早期に発見をし、大事になる前に早期に対応することが重要でございます。そして、いじめを受けている側の児童や生徒が気軽に相談したり、寄り添った支援を受けられる体制の整備が重要であるものと考えております。 率直に申し上げて、児童・生徒の心理状態というのは私どもが想像する以上に非常にデリケートで、こんなささいなことと思うことが原因で事件が起きたり、いろんな行動につながったりということが現実には起きているわけであります。 このため、当市では独自に学校に心の相談員を配置をしており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも配置をされておりますが、学校のみの対応では、これは当然万全ではございませんので、どのような支援やシステムが必要か、今、申し上げたように子どもの微妙な心理に寄り添うような対応について、お話のありました寝屋川市等の取組なども参考にしていただきながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ここで改めまして、学校の先生方がいじめ対策に取り組んでいただいておりますことに対しまして、心より敬意と感謝を申し上げたいと思います。そしてその上で、学校はあくまでも子どもたちの幸福のためにあります。お忙しい先生方がいじめについて全て責任を持って対応するのは非常に大変であり、限界があります。 子どもたちの立場、視点に立った対策が重要であるということを考えれば、子どもたちに何かあったときに、子どもが相談できる幾つもの手段があることこそ、子どもの安心・安全を守ることにつながるのではないでしょうか。ぜひ前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 それでは、3つ目の質問、
文化芸術振興について質問いたします。 県は新年度の当初予算案に、文化芸術活動を支援する組織であるアーツカウンシルを設立し、活動する事業費を計上いたしました。アーツカウンシルとは、地域の文化芸術活動に関する相談や助成、また、人材育成などの支援を行う組織であります。 文化芸術によるまちづくりを進める大町市は、これまでもアーティスト・イン・レジデンスなど、アーツカウンシルの理念に沿った活動をこれまで行ってまいりました。そして、これからもさらに質の高い文化芸術によるまちづくりを行う上でも、アーツカウンシルの支援を受けることで文化事業を進めるべきものと考えますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 県のアーツカウンシルの活用についての御質問にお答えいたします。 県は新年度、長野県版アーツカウンシルを設立し、文化芸術活動の支援を進める方針を表明いたしました。このアーツカウンシルとは、芸術文化に精通した専門家を交えた第三者機関として地域の文化芸術活動に関する相談や助成、人材育成などを支援するもので、具体的にはアーツカウンシルのメンバーは専門の知見を生かし、助成金対象事業の選定や配分をはじめ、地域の文化政策について調査研究するシンクタンクとしての役割も持っております。 このため、メンバーには支援団体への助言や団体間のマッチング、また、自治体との調整や政策提言など、幅広い役割とそれを担う権能が付与されることとなります。御承知のとおり、市にはこうした機関はなく、また、小規模な自治体が設置することは運営経費の課題に加え、芸術文化に精通した人材の確保が大きな課題であり、今回、県によるアーツカウンシルの設立は大町市にとりましても大変有意義なことと受け止めております。 文化芸術活動は社会のインフラであり、文化振興には公的な支援が不可欠と考えており、そこで重要となりますのはアーティスト、住民、行政を結びつけるコーディネートの役割でございます。しかし、こうした人材は地域ではなかなか得られないのが実情であり、一例を挙げますと、当市が取り組んでおります信濃大町アーティスト・イン・レジデンスの事業が市民から見えにくいとの御指摘をいただくのも、芸術と市民を結ぶこの部分の不足が要因と考えております。今回、設立されますアーツカウンシルの詳細はまだ明らかではありませんが、長期的な視点から人材を育成するための仕組みづくりへの支援を大いに期待するところでございます。 これまで市では、信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業の立ち上げから来る国際芸術祭の開催に至るまで、県から積極的な御支援をいただいており、数年前から、県のこの設立構想を伺っており、市の現状を踏まえ、情報を共有してきた経過もございます。 今後はこの長野県版アーツカウンシルとの連携により、当市のアーティスト・イン・レジデンス事業や仮に開催することとなる場合には、来る国際芸術祭などの文化芸術活動がより市民に身近なものとなりますよう積極的な活用を検討し、支援を要請してまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 県のアーツカウンシルの設置、事業について御答弁をいただきました。 ただいま市長より、文化芸術は社会インフラであるとの御答弁をいただきましたが、私も全く同感でございます。ぜひこの県のアーツカウンシルの助成事業などを生かしながら、市のアーティスト・イン・レジデンス事業の充実など、さらに文化芸術の事業の展開をされることを願っております。 ところで、長野県はさらに(仮称)長野県障がい者芸術支援センターの設置を予定しているようでございます。SDGs未来都市大町市として、いよいよ障害者の方々による文化芸術活動を支えていくときと感じます。既に市内でも芸術活動を行っている就労継続支援B型事業所も存在しております。また、芸術的才能を持った障害者の方もおられます。 ぜひ大町市も障害者アート、アール・ブリュット、アウトサイダー・アートの人材を育む取組を提言したいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育次長。
◎教育次長(竹内紀雄君) 障害のある方や専門的な美術教育を受けていない方の芸術の振興と人材の育成についての御質問にお答えいたします。 現在、策定を進めております生涯学習推進プランでは、誰もが学びを通して自分を高めることができる町の実現のために、SDGsの視点を踏まえ、全ての人に包摂的な生涯学習の機会を提供し、新しい価値観の中で生き生きと自らの幸せを求めていく社会を目指しております。 教育委員会では、この目標の達成のために福祉関係部署と連携しながら、ハンディや芸術教育の有無にかかわらず、誰でも自分の考えで自律的に創作活動ができますよう、学習機会の提供や指導する人材の紹介、成果の発表の場の一層の充実を図り、市民全体の文化芸術の向上と普及、振興に努めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) ぜひよろしくお願いいたします。 アール・ブリュットにつきましては、大町市の姉妹都市であります立川市が既に2015年から毎年継続して開催しております。立川市の取組なども参考にしていただきながら、また、県内のザワメキアート展などとも連携しながら、障害者の方々の文化芸術活動の支援を開始していただきたいと願っております。 さて、文化芸術が秘めているさらに大きな可能性についてお話ししたいと思います。 文化芸術は、あらゆる多様な人々を巻き込みながら元気と希望を与えていく取組でございます。
岐阜県可児市にある可児市文化創造センター・アーラの活動は大変に有名であります。 そこでは何が行われているのか。不登校の子どもたちが参加する演劇、子育てママが友達づくりに集まるワークショップ、障害者や多国籍の市民も参加するディスコ、ひとり親家庭の御家族をコンサートなどに招待するプロジェクトなど、これまで生きづらさを感じてきた人たちを孤立させない芸術文化が生み出す社会包摂的な機能の効果でございます。まさにアーラは誰でもの居場所でもあるのであります。 このような文化芸術による社会包摂的な活動こそ、文化芸術の町、そしてSDGs未来都市大町市の使命であると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。教育長。 〔教育長(荒井今朝一君)登壇〕
◎教育長(荒井今朝一君) 社会包摂的な文化芸術活動を通じ、SDGs未来都市を形成することが大町市の使命と思うがいかがかとの御質問にお答えいたします。 文化芸術を通じ、年齢や性別、貧富や社会的立場にかかわらず、人々を社会の一員として取り込み、排除や摩擦、孤立から守り、それぞれの違いを尊重し合い、お互いを受け入れ、支え合い、助け合う社会包摂的な考え方は、芸術文化基本法の根本的な理念でございます。 議員から御紹介がございました
岐阜県可児市では、学校に居場所を見いだせず不登校となっている児童が演劇をツールにしたワークショップに生き生きと参加をしている事例や、高齢者や障害者が参加しやすいダンスアート教室の開催などにより仲間づくりが進み、社会的孤立の抑制につながっているとの多くの事例があるものとお聞きをしております。 こうした先進的な取組に倣い、社会包摂的な活動を念頭に、新年度からは文化会館におきまして鑑賞と創造、交流、人材育成の4つをキーワードとする新たな事業を展開してまいることといたしております。 具体的には、「歌プロジェクト大合唱2023」と題して、誰でも参加できる合唱のワークショップを設け、専門家の指導を受けて練習を重ね、フィナーレには、プロの公演にオーケストラと共に出演する体験を通じて歌う喜びを感じ、地域を大合唱で元気にする事業として計画をいたしております。合唱は楽器が不要で、誰もが気軽に取り組めることから参加を広く募り、一切のバリアを取り払い、社会の中で多様な背景を持つ人たちが創作活動を通じて共に学び、楽しみ、豊かに生きていく、そうした端緒につながる機会にしてまいりたいと考えております。 また、鹿島槍高原にあります東京藝術大学山岳部の黒沢ヒュッテが国の登録有形文化財に指定をされ、東京藝術大学の先生方に御協力をいただけることになりましたので、広く市民が参加する講演会や創作活動に取り組むとともに、児童・生徒の指導にも御協力いただくことを考えております。 文化芸術は豊かな人間性を養い、創造力と感性を育み、今の時代を生き抜く糧となるものであり、さらには文化芸術を通して様々な価値観を認め合い、他者と共感し、理解し合うことで、共に社会で生きる基盤が形成されるとの共通認識に立ち、全てを包含する社会包摂の理念と誰一人取り残さないSDGsの視点に沿って、文化芸術の振興に今後も努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 文化会館における合唱でしょうか、また、東京藝大の御協力などもいただく新たな取組もあるとの御答弁をいただきました。大変に嬉しく感じます。SDGs未来都市大町市の社会包摂的な取組に心より期待しております。 さて、先月2月15日に東京藝術大学がSDGsビジョンを発表いたしました。その中に象徴的な次の言葉が書かれております。芸術はずっと前からSDGs、そしてSDGsの17の目標全てに芸術が接続すべき必要と出番がある、このように書かれております。 そして、このビジョンを発表したウェビナーにおいて、次期学長に決定しております日比野克彦氏は、以前、ある障害者福祉施設で体験した驚きを次のように語っておりました。その要旨を御紹介いたします。 文化とは、自分が持っていないものに出会ったときの驚きのことである。以前、ある福祉施設を訪問したとき、そこで自分が思いもよらないような型破りな描き方で絵を描いていた人がいた。これまで自分が教わってきた、例えば絵の具はこう使うとか紙はこう使うといったことが固定観念であることに気づいた。その意味では福祉施設とは、実は新しい価値と出会える文化施設である。誰かに対して一方的に手を差し伸べてしまうような上下関係とかヒエラルキーを生んでしまうのではなく、お互いを尊重するのが芸術である。大要、このように語っておられました。 まさに福祉も人権も環境も、SDGsの全ての目標が文化芸術と切っても切り離せないものである、そう思わずにはいられません。その意味でも、市の
文化芸術振興をSDGsの視点をしっかり盛り込んだ
文化芸術振興基本条例と基本計画の下で進めるべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 教育長。
◎教育長(荒井今朝一君) 議員からはこれまでも御提言をいただいております文化芸術基本条例の制定につきましてお答えいたします。 先ほども御答弁申し上げましたが、国では文化芸術の振興に関する基本理念を明らかにするとともに、総合的な施策を推進することを目的として文化芸術基本法を制定し、県内でも幾つかの自治体でこの基本法の趣旨にのっとり、文化芸術の振興についての条例を制定いたしております。 当市におきましても、議員の御提言を受け、現在、関係部局等と調整を図りながら条例の制定に向けた検討を進めております。この条例を単に形式的な宣言に終わらせることなく、現在策定中の生涯学習プラン等の趣旨も踏まえて、全ての市民に包摂的でかつ質の高い多様な生涯学習の機会を提供し、社会包摂的な市民全体の文化芸術活動の振興につなげるためには、文化をはじめ環境あるいは貧困、産業や経済など、SDGsの視点を踏まえた多面的で総合的な条例とすることは非常に重要であるものと考えております。 そのために、計画策定や推進体制等も必要になってまいりますので、こうした視点を含めて、制定に向けた検討をさらに進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 大変に前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。 ぜひ文化芸術の基本条例と基本計画の下で、市の
文化芸術振興とSDGsの推進に取り組まれることを願っております。 最後になりますが、文化芸術による
社会包摂的活動について、市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。市長。
◎市長(牛越徹君) 芸術文化活動が社会包摂という社会のためのインクルーシブな社会を形成するためのものへと広がりを見せる中、どう考えるかとのお尋ねにお答えします。 急激な少子高齢化や情報化の進展に伴い、社会のグローバル化が進み、人と人との絆や協働性を大切にした持続可能な社会への転換を強く求められております。こうした時代の潮流を背景に、未知の文化を柔軟に受容する、受け入れる精神の醸成や異質の芸術を受け入れ、多様性を認め合う共生社会の実現は、誰一人として取り残さない、あるいは誰一人として阻害しないという社会の構築は、今後取り組むべき重要な課題となっております。 こうした中、国では平成23年に芸術文化の振興に関する基本的な方針を定め、社会包摂的な芸術活動の支援を積極的に進めるとともに、平成30年には障害者の文化芸術活動の推進に関する法律が施行されました。申すまでもなく、文化芸術は、人々の心に創造力や感性を豊かに育むほか、創造による喜びをもたらす大きな力を持っております。 同時に、年齢や性別、国籍の違いや障害の有無、その他の属性や個人を取り巻くいかなる社会的な状況や環境に関わりなく、創作活動や鑑賞を通じて、全ての人に広く社会参加の機会を提供するとともに、全ての人を包摂する社会づくりに大きく寄与するものと考えております。 先ほど議員の御説明にありましたように、間もなく東京藝大の学長に就任される日比野克彦さんの対談を読んだことがございます。その中で一番感じたのは、従来、東京藝大の学長といえば、美学であるとかあるいは伝統的な芸術分野から選ばれるというのが通例でありましたが、日比野さんの就任は、新たな芸術分野に国自体が、あるいは日本という社会自体が大きく転換しているということを痛感したところでございます。 御案内のように、北アルプス国際芸術祭も、このような視点から、恵まれた自然環境を背景に芸術文化を通じた大町市の魅力を地域固有の価値として内外に発信するとともに、芸術文化による市民の一体感の醸成を図るために開催をしたところでございます。 2度の国際芸術祭の開催を経て、芸術の多様性とそれを受容する人々の感性の違いに気づかされ、市民の皆様の心にお互いの違いを認め合う寛容の精神が宿ったのではないかということを実感しております。寛容の精神は包摂的な社会を支える基盤となる理念でございます。 今後も芸術文化が持つこうした多彩な影響力を大切にして、心豊かな文化の創造と振興に努め、様々な分野での文化芸術活動を通じて、全ての市民の皆様が地域で協働し、力強く、また生き生きと日常を送ることができますよう包摂的な包括的なまちづくりを進めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。太田昭司議員。
◆5番(太田昭司君) 市長より文化芸術による
社会包摂的活動についてのお考えと深き思いをお聞かせいただきました。感銘をいたしました。 文化とは本来、人と人を結びつけるものであり、自分と他者の心にポジティブな変化をもたらすものでございます。今、私はかつて本で読んだウクライナの首都キエフに建つウクライナ国立キエフ工科大学の総長の言葉を思い出します。それは、目的を達成しようとする上で、その手段が正当で誠実なものでなければ、いつかは失敗の憂き目を見ることになると。対話という文化的、人間的な手段ではなく、ハードパワーによる時代錯誤的な手段で目標を達成しようとしたならば、一時的には勝利したかに見えても、必ず失敗の憂き目に遭う。それは人生万般に通じるものである。このように訴えまして、私の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で太田昭司議員の質問は終了をいたしました。 ここで、昼食のため1時5分まで休憩といたします。
△休憩 午後0時04分
△再開 午後1時05分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第13位、大和幸久議員の質問通告は1項目です。大和幸久議員の質問を許します。大和幸久議員。(拍手) 〔12番(大和幸久君)登壇〕
◆12番(大和幸久君) 無所属クラブの大和幸久です。 今回は、
人口急減時代における大町市のまちづくりについて質問いたします。 初めに、市長は本会議に、今年から5年間の大町市のまちづくり計画である大町市第5次
総合計画後期基本計画案を本会議に上程いたしました。この計画実施に当たって、どのような課題があると見ているのか、お伺いしたいと思います。 これで1回目の質問を終わります。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 後期基本計画における課題は何かとのお尋ねにお答えします。 このたび上程いたしております第5次
総合計画後期基本計画では、基本構想に定めた将来像、「未来を育む人が輝く信濃おおまち」の実現を目指し、地域最大の課題であります人口減少、少子高齢化の進展に加え、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気、雇用情勢の悪化や地球温暖化への対応、SDGsの推進など、地方を取り巻く社会情勢の急激な変化により、これまで以上に持続可能な自治体経営と地域特性を生かしたまちづくりを進める必要がありますことから、これらの課題解決に向けた市が取り組む方向性を見定め、様々な施策を位置づけております。 我が口の人口は平成20年をピークに減少に転じ、当市におきましても昭和35年をピークに減少し続けており、令和2年の国勢調査では、2万6,029人となっております。特にこの人口減少の進行は、雇用や消費需要の縮小に伴う地域経済の停滞をはじめ、地域コミュニティーの活力低下による互助、共助の弱体化、農業、商工業における人材や後継者の不足、公共施設、とりわけ教育施設や道路、上下水道等の生活基盤の維持など、多方面にわたり様々な影響を及ぼすことが懸念されております。 これを克服することは、最も困難な命題であり、市民の皆様が将来にわたり安心して住み続けることができる持続可能なまちづくりを進めるため、今なすべき必要な手だてを講じることが急務であります。そのため、第5次
総合計画後期基本計画では、人口減少に歯止めをかけるため、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえることなどを重点施策に位置づけております。 今後、これら多岐にわたる取組を推進するに当たりましては、横断的かつ複合的に多くの機関、団体との連携を図るとともに、行政だけの取組では対応が不可能な分野では、市民の皆様への丁寧な説明と認識の共有に努め、市民の参画と協働の視点の下で、将来にわたり持続可能で活力あふれる大町市の実現に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問はありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 初めに、大町市の人口は今後急激に減少率を増していきます。2020年には2万6,069人であった人口が、40年後の2060年には1万1,573人へと、実に1万4,496人、率にして55.6%も減少する推計であります。私は重大な危機感を覚えますが、市長はどのような見解をお持ちですか、まず伺っておきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 市の将来像、まちづくりを進める上で、安定した市民生活と持続可能な地域を実現するためには、やはり基準となります将来人口を勘案して、行財政運営を見通す必要性があります。そのために、やはり将来の人口という部分のところは減少ということで、これは当市だけではなく全国的な問題というふうに捉えております。 そこに向けて持続可能な地域社会を実現するために、今回提案いたします第5次総合後期計画ですとか過疎計画、そういった部分のところでまちづくりのほうを進めていきたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 全国的に地方の人口が減っているのは、今の答弁のとおりです。しかし、大町の場合には、これが私はひときわ厳しいのではないかと、こういう認識を持っているんですが、その点について伺いたいと思います。 大町市の人口減少、県内他市と比べてもひときわ厳しさがあることを認識しておく必要があるのではないでしょうか。2020年の国勢調査による長野県内19市5年間の人口減少率は最下位19位が飯山市で、2万人を切り1万9,539人、1,899人5年間で減少しております。率でマイナス8.9%。この飯山市に次いで大町市がマイナス7.2%、2,012人の減少となり、下から2番目の18位となっております。 大町市と飯山市のように、長野県内19市の中で減少率が7%、8%台という数値は、飛び抜けて高いものとなっております。そして、この2市は、昨年国により全部過疎に指定されてしまいました。これは、ひときわ厳しい理由がなぜなのか、この点について徹底した検証を行う必要があると私は見ているんですけれども、市長はこの点についてはどんな見解でしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まずは、先ほどのお尋ねにありました人口減少に対して危機感を持っているかということで言えば、間違いなく大きな危機感を持っております。私、就任して以来、ずっとこの第4次総合計画や第5次総合計画、15年間にわたり人口減少対策が一番大きな課題でありました。というのは、やはり、市のこの現在の人口のいわゆる年齢構成を見てみましても、これは大町市が栄えてきた昭和35年から45年くらいまでの間に、市内には大きな人口を支える産業構造がありました。巨大な大きな工場、そこだけでも約7,000人から8,000人もの雇用が支えられ、そこに勤める方の家族を入れれば約2万人程度が、何らかの形で大産業の下で暮らしていらっしゃいました。その皆さんが、現在80、90あるいは既にお亡くなりになりました方もいらっしゃるんですが、その時代を支えてきていただいた皆さんが、今、終焉の時期を迎えている、そうした人口構成にあるわけであります。 ですから、それをいかにして支えるかというのは、この地域の大きなテーマでありました。これは既に30年にもわたる大きなテーマであります。それが今、顕著に表れているのが、今の厳しい厳しい人口減少であります。それを食い止めるために、第4次総合計画、また第5次総合計画の前期5か年計画では、人口減少をいかに抑えていくか、それが最大のテーマであり、またそのために大きな柱、それはやはり社会的な増減を少しでも抑えるために、多くの移住を受け入れるような取組、あるいは転出を抑えるための市民の皆さんを豊かにする取組、またここに人口を支えるためには、やはり雇用の場、働く場が大きな要素になります。そのために、市内の様々な事業所の業績の拡大、あるいは新規の産業の誘致、これにも取り組んでまいりました。 さらには、自然増減で言えば、亡くなる方は健康増進によって、高齢者の健康寿命は延伸するという取組をしてまいりましたが、それに加え、新たに生まれてくる子どもたちの健やかな成長のために、やはり切れ目のない結婚から妊娠、そして健やかな成長という、この子育て支援を一生懸命取り組んできたところでございます。 そうした認識の下で、今提案しております第5次総合計画後期5か年計画においても、それを最重点課題として取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) もう1点、大北地域5市町村の2010年から2045年までの人口減少の傾向を見てみますと、全体では38.5%の減少率ということになります。内訳を見ますと、1位は小谷村が一番減少率が多くて、3,221人から1,302人、59.6%の減少率ということになっています。ところが、この次は、2番目は大町市でして、2万9,801人から1万6,466人へと減少、減少率が44.8%、約半分に近い減少率、こういうことになっていまして、この大北地域を見ても、小谷村に次いで大町市が、どちらかといえば人口減少の足を引っ張るというような形になってきてしまっていると。この辺についても、この大北地域の中心市という位置づけでありますけれども、人口減少率は2番目に多いところになってしまっていると。この辺もやはり、ちょっと他市町村と違う何か理由があるのでは、このことをやはり検証していく必要があると思います。 こんなところ、特に今後、将来のことを見る上では、将来の子どもの動向、非常に気になるところであります。一番大事な出生数、子どもの生まれてくる人数について、大町市では目標数値180人を出していますが、直近の5年間平均では138人、実に1年平均42人、23.3%という開きが出てきております。この辺も非常に深刻な数字になってきているのではないか。また、合計特殊出生率、大町市では2020年までに1.6に対して、2017年から2020年には、これを4年平均では1.54人しか数字が上がっておりません。大町市は、これを目標値を2025年には1.8人にする、2030年には2.0人にするという人口ビジョンを持っているわけですが、これらの数値ともはるかにかけ離れた現実の数字ということになっております。 この結果については、市長、行政では、どんな検証をされているんでしょうか。認識と一緒に説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 出生数につきましては、平成29年から令和3年の5年間、こちらの出生数の平均は138名ということであります。それで、出生数の目標値としましては、5年間平均で138名としたところであります。 人口減少におきましては、毎年の出生数180人程度の確保を目指すということにしておりましたが、コロナの拡大ですとか社会状況が大きく変化した状況下におきましては、その目標値180人を5年間平均で150人としているところであります。 現在の社会状況を勘案しまして、柔軟性を持って判断して目標値を設定したという形であります。また、自然動態によります数値目標につきましては、施策によって大きく左右されにくいという部分がございます。そのため、移住・定住ですとか、そういう促進、転入者の増加、結婚支援策、そういった部分のところを踏まえまして、施策を強化して、その数値を上げるような取組をしていくということで考えております。 合計特殊出生率につきまして、国では2030年に1.8程度、県では2025年に1.84程度を目指すということが発表されております。そのため、市としましても2025年に1.8、2030年に2.0を目指すというものを設定したということであります。 また、人口ビジョンにおきましては、令和2年度の合計特殊出生率1.6と設定しておりましたが、実際には1.65ということでことでありましたので、その部分とかを踏まえまして目標を設定しているということで御理解いただければと思います。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) この辺、数字の比較だけで、柔軟に訂正したからいいとか、そういう問題じゃなくて、当初の説明では、出生率は国では2.1にしろと、そうしないと人口の減少に歯止めがかからないという数値だと、こういうことで設定しているわけですけれども、現実にはそれに遠く及ばない数値になっていると。この辺をもっと真っ正面から受け止めて、重大な危機感を持って対策を練り直さないと、大町市は永遠に人口減少を食い止められない、しかもそのスピードは他の市町村よりもかなり速いのではないかと、こういう危機感を私は数字を見ていて思うものですから、その辺の市長の取り組む姿勢、その辺を改めて伺いたかったわけです。この点については、ぜひ危機感を持って、改めて庁内で見直すというようなことが、どうしても必要だというふうに私は思っていますけれども、いかがでしょうか。 例えば、私は今後、こういった事業の成果というのは、社人研の推計値を基準にして、これを上回ればその分はよし、下回ったら何が問題だかというようなふうな検証の方法に切り替えたほうがいいと思います。ところが実際には、27年に策定した人口ビジョン、これに基づいて、例えば水道ビジョンなんかでは、この数値を取り入れて、過大な人口目標の下で過大な将来計画を策定している事例が、まだ改められておりません。急激に人口が減少する中で、今の水道施設全体を維持していくこと自体も極めて難しい、困難な時代に入ってきているわけですけれども、かなり前からこの点は指摘していますけれども、いまだに一つの事例として見れば、見直しもされてきていない、こういうことがあります。 こういったことを一つ一つ真剣にやっていかないと、将来1万1,000人程度の人口になるときに、今のインフラというのはとても支え切れないと、これがすぐやってくるわけですけれども、その辺の今後の見通しや事業計画の見方、その辺について、市長はどんなふうに見直しをしたほうがいいというふうに考えているのか、改めてその点を絡めて説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 出生数あるいは出生率の見直しという御提案がありました。これは、第5次総合計画の前期計画でも、今までも繰り返し説明してきておりますが、社人研の数字は、機械的に算出したある意味のまさに推計値であります。それについて、いかにこれはそれぞれの総合計画もそうですし、また国が策定を求めて、さらにはそれに基づいて策定しましたいわゆるまち・ひと・しごと創生総合戦略においても、人口の減少を食い止めるための施策をつくりなさい、計画をつくりなさいということの前提として、社人研の数字が用いられているんですね。 ですから、何も政策的な努力がなければ、社人研の数値のとおり推移していく、それは大町市にとりましてもそうですし、全国各自治体がそうした状況にあるわけです。それを食い止めるために、それぞれまち・ひと・しごと創生総合戦略、また大町市においてはその総合戦略と連携をとりながら、整合性をとりながら、この第5次計画を結んでいるわけです。 その中で、目標値として、先ほど総務部長から答弁申し上げたような食い止めるための出生率、出生数を確保するための目標値を定めてあります。それについて、政策の努力がまさにこの計画の中に位置づけられているというふうに御理解いただきたいと思います。 また、先ほどお話にありましたように、出生数に関しましては、多分、私の手元にある資料では、令和元年には148名、それまでは、その2年前、3年前、平成29年には138人という、これまでに一番低い水準だったものが、令和元年までの間に148人まで回復しております。それが令和2年、昨年度では142人、これはコロナの影響が出始めており、また令和3年度、まだ年度中ではありますが、令和3年度にはもっと厳しい数字になるものと、私どもは危機感を持っております。 そうしたこの2年間においては、コロナ禍の中で妊娠したくない、妊娠するのはやめよう、先延ばししようということで、妊娠が極めて少なく、そして出生数もそれにつれて、この2年間は激減している、これは全国的な傾向でありますし、また出生率においても全く同じ状況にございます。 そうした一時的な現象をいかに抑えていくかも、まだ喫緊の課題として残っておりますし、また、中長期的にもこの人口を増やしていくためには、やはり出生率を確保していかなければならないということで、今、大町に住んでいる若い世代の皆さんには、一生懸命豊かな環境の下で子育てに励んでいただくような環境の整備と、また移住・定住の分野におきましても、メインターゲットとして、若い世代の皆様、家族を育てる若い世代の皆様にターゲットを絞って誘致策に取り組んでいるわけでございます。 そうしたことから、これからも危機感を持ってしっかり取り組んでいきたい、そして当初計画においても過大な人口見積りをしているんではないかということが御指摘がありましたけれども、決してそうではありません。基本的には、もちろん社人研の冷静な数字を見ながら、しかし政策の努力を設定した分野におきましては、それを満たすための予算づけをしているわけです。しかし、中長期的な投資の分野では、3年間の元のいわゆる市の実行計画をローリングする際に、適切な投資規模に改めている、ローリングしているということについても、御理解いただきたい、このように思うところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 市長はこの社人研の推計値というのを余り好きではないような印象を受けますが、前期5か年、この5か年がどうかといいますと、社人研の推計値は、2020年2万6,042人という推計値を出しました。実際の国勢調査の速報値では、これが2万6,069人ということで、僅か27人しか数字が狂っていなくて、極めてこの推計値が正確であるということを私は言えると思います。 そういった意味からも、推計値を見る場合には、社人研の推計値なんかが一番科学的で根拠のある数値だというふうに私は見ているんですけれども、それを基にいろいろな事業計画等を計画していくことが、最も確実性が高いものではないかというふうに私は考えているわけで、その点で見直しをしたらどうかという提案をさせてもらっているわけです。 今、市長は何もしなければ社人研の数値になる、前回もそういう説明をしていましたが、過去のこの5年間を見ますと、ほぼ社人研の推計値と実勢値が一致するわけで、そうすると5年間何もしてこなかったのかと、こういうことになってしまうわけで、そういうことにならないように、後期の計画では、どれだけ数字的にきちんと表れるような事業を展開していただけるのかと、この点が一番の焦点になるわけです。 この社人研の数値、昔から過去5年間については実数値で、5年ごとの平均の1年間の減少率、この数字を出してみました。今言った2020年までの5年間、この数値は5年平均で394.4人です。それからこれからの5年間が397.4人ということで、ほとんど同じ数値で推移してきているということです。 特に危惧するのは、この5年間では、第1回芸術祭が開かれ、また市長が力を入れた企業誘致もされてきたわけですけれども、この期間の平均数値が394.4人ということで、減少率は、以降の5年間に比べても一番高い数値になってきていると。残念ながら人口減少の歯止めということで、数字には表れてきていないと、こういう結果になっているわけでして、その点をきちんと検証して、やはり数字に表れるような事業を的確に実施していかないと、今後の人口減少の急激な減少の歯止めにはならないのではないかと、こういう危惧をしているわけです。 ちなみに2020年から2025年までは、年間の減少率が397.4人、それ以後5年間を見てみますと、385人、383人、366人、340人と、5年ごとに、時がたつごとに減少率がどんどん少し緩和されてくる、こういう推計値になっています。この辺から比較しても、今までの2015年から2020年の実績の5年間というのが、最も減少率が大きくなってしまっていると、この辺についても、もっときちんと検証して分析をし、本当に今までの事業が実績に結びついていない、数字に表れてこないのはなぜなのか、このことをきちんと検証していく必要があると思うんですが、市長、そういう視点での検証って、これからやられる用意があるのかどうか、改めて伺っておきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) まずは議員の御指摘の効果的な手法をしっかり検証しながら、つくり上げていくべき、これは当然のことでございます。私もそのとおりと考えております。 なお、例えば移住・定住促進策、先ほども御答弁申し上げましたが、例えば令和2年は、これまでにないほどの、たしか市の窓口を通じて移住を決めた方だけでも73人か79人だったかと思うんですが、そうした数になっています。ここ数年は、大体このコロナ禍より前から、いわゆる地方のよさ、住みやすさに共鳴して、移り住む方が非常に増えてきています。これは一つの成果だと思います。 一方、働く場の確保についても、先ほど申し上げましたが、この3年、4年の間に、大きな産業が立地しました。もちろん大きな産業というのは、特に装置産業ですから、工場の中にいわゆるプラント、製造ラインをつくるときに、それを稼働させるためには新たにこの地域から雇い入れるよりも、その会社が持っている他の工場から移動してきて、そしてそれぞれラインに取り組むわけですが、その方々が人事異動などで、それぞれの元の工場に復帰するような場合には、新規にこの地域から雇用がされる、そういう意味で工場の立地が直ちに新規の大きな雇用に結びついていないというのは、それでも合わせて350人ほどの新規の雇用がこの間確保されたわけですけれども、そうしたことも粘り強い努力の中で、初めて成果に結びつく、そのことを頭に置きながら取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 確かに雇用もあるんですが、残念ながら出ていく人口も非常に多いと、こういうところの分析をきちんとしないと、人口減少に歯止めがかかっていかない、こういうことだと思います。ぜひ、その辺も含めてお願いしたいと思います。 さて、大町市は、この後期計画書の23ページで、人口減少克服の特効薬はなく、バックキャスト理論により対策するとし、持続可能なまちづくりによって人口減少の克服と地域経済の活性化を図ると述べております。このバックキャスト理論によって対策をするというのは、どういう意味なのか、改めて説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 まず、バックキャスト理論というものは、これまで実施してまいりました成果が上がってきた部分、そういった現状を見据えて、それを指標といいますか、それを分析した上で、100年先の未来を見据えて将来にわたる部分のところを踏まえて推計するものであります。 そのため、これまで実施計画につきましては、内部評価、外部評価、それと都市計画審議会等を踏まえまして、これまで前期の評価を行って、それを見据えた上で、新たな後期計画につなげるという形のものであります。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) このバックキャストの手法、これはそもそも総務省が2040構想研究会の報告の中で、将来あるべき姿から逆算する形で、その実現のため、現在取り組むべき事柄を検討するとして用いてきたものであります。そして、この2040構想の地域の未来予測が前提とする資源制約は、主に急速な人口減少に起因するもので、決して急速に減少した社会そのものに求められるものではなく、人口減少が阻止または緩和された社会に求められなければならないはずであります。 大町市は、この総務省と同様の発想に基づいて、この第5次後期計画を実行しようとしているのでしょうか。改めてその関係性について説明してください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 考え方的には、将来を見据えた部分のまちづくりを進める上での計画策定ということでございます。これまで実施してまいりました部分のところの評価をつなげまして、将来にわたるまちづくりの指標、どんなまちにするかという形につきましては、5つのまちづくりのビジョンを提案してございまして、その部分のところに向けて施策を展開するという形で、その考え方につきましては、総務省のほうはスパンが長いわけでありますが、市のほうとしましては、5次総の後期計画に向けて、その5年後にあるべき姿に向けて計画を策定したという形でございます。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 人口減少を前提にして、だから今こうしなきゃいけない。2040構想等では、この点については、これをてこに地方自治体の大幅な削減、地方自治体の職員の半分化というようなことを、いわゆる地方への財政負担を減らすという目的で、このビジョンを利用してということであります。 全国町村会の荒木泰臣氏は、この点について非常に危機感を持って批判を最初からしていることは、前回、前々回述べたところでありますけれども、要はこの間、グローバル資本主義、新自由主義の中で失われてきたもの、いわゆる地域経済の社会の担い手、中小企業や業者、農家を重視する、また上がってきていない労働者の賃金、こういったものを回復することこそが、今後の地域の経済、大町市の経済、人口減少に歯止めをかける上で、最も大町市が目標としなければいけない事業であるというふうに、私は考えているんですけれども、今後のまちづくりの中で、このグローバル資本主義、首相も見直すと言っている新しい資本主義の見直しの中で、大町市が求めるものは、そういった失われたものへの回復というものに重点を置かなければいけないのではないかと私は思うんですけれども、市長、その点はどんな視点で見ているのか、説明いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) これは今までも議員との間で意気投合している部分の一つであります。新自由主義、これは国が長い間、これに基づいていわゆる規制を緩和することによって競争力を回復し、それによっていわゆる富めるところから成長率を確保していく、この手法はやはり無理があったということで、現在、岸田政権におきましても、これを全面的に見直すという、そうしたポリシーを政策の柱にしております。 なぜかというと、やはり競争力を持たない例えば地域あるいは地方の各都市では、競争の武器を持たないまま競争の土俵に乗せられる、これが国と地方の格差を全国的な部分でいえば大都市圏と地方の格差を拡大したものということについては、今までも私も答弁でも申し上げてまいりました。 そうした中で、やはりこれからは、コンパクトな地域づくりを目指して、何も私たちが政策目標に掲げてあるから、それを何でも目標にするという考え方は捨てているんです。例えば公共施設も、かつて大町市においてもたくさんの公共施設が、本当に様々な財源を活用しながら整えてまいりました。それが30年たち、40年たち、それぞれ老朽化する中で、これから将来を見据えて、しっかりとしたコンパクトな地域社会を守るために見直しをかけ、統合したり、場合によっては地域の皆さんの同意をいただきながら廃止していく、そうしたものをこれからは選択に入れていく、これは公共施設管理計画の中にも明確に述べられています。 そうしたこれからはいわゆる地域の間尺に合った、地方公共団体としての体力に合った地域づくりを、しっかり見据えて進めてまいりたい、このように考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) これからのまちづくりで1点大事なことは、地域内再投資、何回も地域の中小企業、商店街、農業、労働者、ここにお金が回るように公共事業でも投資をしていく、こういった目的意識的な努力が非常に大事だというふうに専門家は指摘しております。私もそのとおりだと思うんですけれども、そういった視点というのは、市長、これからの5年間でも大事な視点というふうに考えておられるのかどうか、見解をお願いします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 御指摘のとおりであります。 例えば地域の一つの一番大きな柱、産業の柱であります観光業におきましても、長期滞在型の、また周遊型の観光を目指すというのは、まさにそれを一つの産業分野に置き換えて考えると、ここにいかにお金を落とすか、また地域の落とされたお金をいかに市内で循環させるか、これは市政においても当然経済政策の中では、そうした考え方を基にしてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありますか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 例えば直近では農業面では、秋田県の横手ですか、ここでは10アール2,000円を、市が独自で2億円の予算で助成金を出すというような、金額的には小さいですが、農家への励ましにはなるというような施策を直接やっている事例もあります。特に直近の問題で、そういうようなことを基にしながら、特に問題視しているのは、今回5年に一度水張りをしないと助成金を減らすと。これは市長も農水省までその苦境を伝えたというような文書が出されておりますけれども、これなんかは絶対見直しをしないと、現場の農家では極めて大きな問題になっていると。 この点について、どうなんでしょうか、改めてぜひ見直しをするように国に求めていくというようなことを、長野県の市長会の会長さんでもあります、非常にそういった立場からも要請していくというのは、今にしてみれば非常に重要なことだと思いますけれども、その点どうでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 農業分野というのは、大町においては農業振興は、農業を支えることは地域社会を支えること、農業生産を支えることは地域社会の存続につながること、これは今までも答弁してまいりました。 そうした中で、今取り上げられましたいわゆる国の水田政策の中で、5年に一度の水張りをしない水田は水田として認めない、交付金を打ち切るという、そうした考え方が今、国から、農水省から示されております。それは、前回も昨日までの他の議員からの御質問にもお答えしておりますように、既に昨年の6月、全国市長会を通じて国にこの水田交付金の制度については、法律に基づくきちっとした制度にすべきだ、そしてきちっと地域の実情に見合ったそれぞれの制度を拡充するとともに、予算をきちっと確保するということについて、重点提言として提出してあります。私が農水省に伺ってやったんではなく、全国市長会の立場において行ったわけであります。 そしてまた、長野県市長会の会長としてという言葉がありましたが、会長の一存で進められるべきものではありません。長野県市長会としても、十分そういった取扱いについて、昨年と同じ制度に対する提言を令和5年度の政策に向けて行っていくかどうか、これはしっかり見極めながら検討してまいります。 なお、これも答弁で申し上げてありますが、衆議院の担当委員会におきましても集中審議が行われ、この問題について打開策を、何とか解決策を探ろうという、そうした動きにもなっております。そうした動きにも十分注目しながら、地方としてどういう形で声を上げるべきか、十分検討してまいりたいと思います。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) ぜひ努力をお願いしたいと思います。 時間がなくなってしまいましたけれども、一つ、今回の後期計画では、ジェンダー平等というのが取り上げられておりません。今回、このジェンダー平等が項目として挙がっていないというのは、これ、どんな理由なのか、説明いただけますか。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 総合計画につきましては、こちらのほうにつきましては、基本構想を実現するために、前期5年、後期5年の5か年の施策の体系ごとの事業の進むべき方向を示しております。そして、今回の後期につきましては、時代の潮流と社会の情勢ということで、特にSDGsの推進ということを取り上げております。内容的にも、それぞれの施策についてSDGsの目標に即した形でそぐうように考えております。 とりわけ今回の部分につきましては、ジェンダーの平等という部分のところは、文言としては表示はないわけでありますが、誰でも健康で安心して暮らせるまち、そういった部分のところで、その部分のところも踏まえて行うということで、また、これの後期計画の後で、それに基づいて3年間を単位にしまして、重要度ですとか緊急度、優先度、社会情勢の変化を総合的に判断して、実施計画がつくられるわけであります。その中で具体的な施策については取り組んでいくというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 大町の将来という大事な5年間の中に、こういった先進的な政策がきちんと位置づけられない、ここに問題があると私は思います。お隣の安曇野市では、多様性が尊重され、共生社会づくりを目標に、男女共同参画を進める既存の条例を改めて、性的指向や性自認、国籍や民族の違い、障害などに起因する差別の禁止を明文化するということで、4月1日から条例化するというところまでやっております。県内では初めてのようですが、大町市もこういった先進性というのは非常に大事だし、そういうものがこれからの地域を元気にする源になるのではないかということで、取り上げております。 時間がありませんのではしょりますけれども、北欧の島国アイスランドでは、ジェンダー平等の実現が経済成長の原動力になっていると注目されております。2009年に女性市長が誕生し、同年にジェンダーギャップ指数で世界トップになり、その後10年間、連続でトップを維持しているわけです。同時に11年以降、
コロナウイルス禍までは、実質国内生産の成長率、平均で3.5%に高まった結果になっております。リーマンショックで財政破綻の寸前まで追い込まれながら、性別を問わずに仕事を失った人たちが再び学べるように後押ししたことなどが、多くの技術革新を生み、同国の経済再生を支えたというふうに言っております。 カトリーン・ヤコブスドティル首相は女性の首相ですけれども、ジェンダー平等を達成するための男女同一賃金を法律で定め、ジェンダー平等を後押ししてきた、さらにジェンダー平等を実現すれば、実際に社会がよくなり、経済も上向くことを目の当たりにした、私たちが経験したことは、より平等な社会のほうが、全て人にとってよい社会だというふうに述べているというふうに報道されております。 やはりジェンダー平等って、これ、意外と将来のまちづくりでもとても役立つ内容になっていまして、この辺を参考にしながら、見直しの中で、ぜひこれを大町市の大きな旗頭の一つにして、新しいまちづくり、市民と共に歩み寄れるような目標づくりを、ぜひやってほしいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) 議員からは、高い視点から様々な御提言をいただいております。とりわけ幾つか取り上げていただいておる課題は、この地域だけでは到底解決できないものばかりであります。先ほど御紹介いただきましたこれは、アイスランドでしょうか、そこの高い政治性というものは、やはりその国の政策がまさに全てを包含する政策として行われて、初めて成果に結びついているものと思います。 今、様々な御提言をいただきました政策課題は、まず国政において解決されることを期待するところでありますし、また、それが実現するまでは、歯を食いしばってもこの地域においてできる範囲から少しずつでも取り組んでいきたい、そのように考えております。御理解いただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 安曇野市では条例化して実行すると。国にやってもらうのを待つのではなくて、大町市として、できるところから手をつける、宣言だけでもきちんとする、こういった姿勢が非常に大事だと思っております。 すみません、時間がないので、2番目、大町市は新過疎法による全部過疎指定となりました。この中で、どのような課題があると見ているのか、説明をいただきたいと思います。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。総務部長。 〔総務部長(和田泰典君)登壇〕
◎総務部長(和田泰典君) 新過疎法に基づく市政運営についてのお尋ねにお答えいたします。 昨年4月に施行された新たな過疎法では、これまでの地域の人口の著しい減少に伴う地域社会の活力の低下や条件不利の克服という過疎対策の基本的な考え方に加え、持続可能な地域社会の形成や過疎地域が持っている可能性を実現することを重点としております。 当市は、この新過疎法によりまして、市全域が新たな過疎地域として認定されたことにより、市全域の過疎対策事業に対し地方債を活用することができるなど、手厚い財政措置を受けることが可能となり、今後、過疎対策事業債を活用して、ハード事業、ソフト事業を実施することが可能となるほか、公立小・中学校や保育所等に関わる国庫補助率のかさ上げなど、様々な支援策も講じられることになります。 12月に御議決いただきました過疎地域持続的発展計画では、第5次総合計画に掲げる基本理念と将来像を柱とし、地域の実情に即した施策を展開することにより、市の持つ潜在力を引き出し、地域の活性化を図ることとしており、この中で移住・定住、地域間交流の促進、人材育成をはじめ、産業の振興など幅広く地域が直面する様々な課題11項目について、現状と問題点、その対策について示しております。 特に過疎化が進展する集落の多くは、主に市内山間部などに点在しており、一部では人口流出や高齢化に伴い集落の維持が難しい状況となっております。このことから、マンパワーが不足する自治会の運営に対する支援や、自治会の在り方について検討を進めるとともに、地域の未来を担う人材の育成や地域文化の振興、高齢者を見守り支え合うための地域包括ケアシステムの構築など、子どもから高齢者まで近隣住民同士が地域の中で絆を深め、自らの手でふるさとをつくる仕組みづくりが重要であると考えております。 地域に愛着を持って暮らしていけるよう、地域住民と行政が一体となり、過疎地域持続発展計画へ登載しました様々な事業計画に沿って、市の将来像の実現と個性ある魅力的な地域づくりを目指し、一日も早い過疎地域からの脱却に向け、全力で取組を進めてまいります。
○議長(二條孝夫君) 残り4秒ですが、よろしいですか。大和幸久議員。
◆12番(大和幸久君) 脱却方法について説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) もう一度お願いいたします。
◆12番(大和幸久君) この過疎法から脱却する方法について、説明ください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) お答えいたします。 過疎からの脱却ということは、すなわち人口を増やすということにつながると思います。そのため、ここに記載しました先ほど答弁しましたとおり、11の項目にわたりまして事業が伸展することによって、地域の活性化、人口対策等も含めて対応していきたいというふうに考えております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) よろしいですか。
◆12番(大和幸久君) はい。
○議長(二條孝夫君) 以上で、大和幸久議員の質問は終了をいたしました。 ここで2時10分まで休憩といたします。
△休憩 午後1時52分
△再開 午後2時10分
○議長(二條孝夫君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 市政に対する一般質問を継続します。 質問順位第14位、神社正幸議員の質問通告は1項目です。神社正幸議員の質問を許します。神社正幸議員。(拍手) 〔6番(神社正幸君)登壇〕
◆6番(神社正幸君) 神社正幸でございます。本定例会最後の質問です。よろしくお願いいたします。 通告に従いまして、大きく1点、市の住宅施策について質問いたします。 まず、
住生活基本計画について質問いたします。 住宅は生活の基盤であるとともに、地域社会の構成要素であり、私たちの暮らしに潤いをもたらし、地域社会に活力と安定をもたらすと考えております。少子高齢化やライフスタイル、家族形態の変化や住宅の安全性、環境性などへの意識の向上により、住宅のニーズは多様化しております。したがって、住宅施策は将来を見据えた社会情勢や地域の特性を重視した施策の転換が必要と考えます。 こうした社会情勢の変化に伴い、国においては
住生活基本計画を策定し、新たな住宅施策の方向性を示し、また長野県においては、国に準じて本年度中に計画見直しをすると言っております。市には策定義務はないものの、国・県の目標達成をするための措置を講ずる義務があるということであります。 そこで質問です。 大町市においても、こうした社会情勢の変化に対応すべく住み続けたいと感じられる持続可能な地域づくりを目指し、市独自の総合的な住宅施策を展開すべきと考えますが、市長のお考えをお聞きします。 これで1回目の質問とします。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員の質問に対する答弁を求めます。市長。 〔市長(牛越 徹君)登壇〕
◎市長(牛越徹君) 市独自の住宅施策を展開すべきとの御質問にお答えいたします。 議員御指摘のとおり、住宅は日々の暮らしを支える基盤であり、住宅の充実は、豊かに暮らしを潤す、社会に活力を与え、安定をもたらすものと認識しております。その一方で、少子高齢化や気候変動の影響とされる自然災害の頻発、激甚化に加え、
新型コロナウイルスの感染拡大により、生活様式や働き方の転換が迫られております。 国では、こうした住環境を取り巻く大きな変化を踏まえた政策の新たな展開を図るため、本年度から12年度までを計画期間とする新たな
住生活基本計画を定めたところであり、県におきましても本年2月に県計画を改定しております。 また、県内の3市において、県計画を軸にした計画が策定されておりますが、当市におきましては、国の基本計画に関連する市営住宅等整備計画や公営住宅等長寿命化計画などの個別計画を既に策定していることもあり、検討は行っておりません。 なお、新年度からの後期5か年計画における5つの重点施策の中に、様々な観点から他の事業との連携を図りながら進める住宅施策の具体的な取組を位置づけております。具体的に申し上げますと、中心市街地の活性化対策として新たな市営住宅の建設、また過疎重点地域への移住・定住を促進させる住宅整備をはじめ、空き家等の発生抑制に向けた空き家バンクの充実や、危険空き家対策、さらには災害に強いまちづくりの推進とともに、新たな生活様式への転換に向けた住宅の耐震化やリフォーム事業などがあり、市が抱える課題を踏まえ、地域特性を生かした独自の施策を展開することとしております。 市といたしましては、県の計画において各市町村との連携協力により施策を推進する考え方が示されておりますことから、今後、県をはじめ庁内関係部局が横断的な連携を更に深め、取組を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 市長の考えをお聞きしました。 2番目の質問も既に答えていただきました。 それでは、住宅は建設課、空き家の有効活用はまちづくり交流課、危険空き家は消防防災課、定住促進住宅は支所といった縦割りの取組だけではなく、住宅環境の向上に向け、市の基本的な方針や取組を明らかにし、庁内横断的な取組とすべきではないか、また、これらの課を束ねての会議が開かれているのか、お聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 私からは、住宅施策に係る取組体制についての御質問にお答えをいたします。 後期基本計画の中で、住宅施策は住宅に関連するあらゆる分野の視点から、それぞれ所管部局が主体的に取り組むこととしております。また、各施策を進める際の計画としまして、それぞれの部局が所管します市営住宅等整備計画や定住促進ビジョン、また空き家等対策計画などの策定時には、関連各課が一堂に会しまして課題の共有を図り、取組方針などを協議するための検討会議を開催をしております。 今後も引き続き庁内の横断的な連携を深めるとともに、議員御指摘の住宅環境の向上に向けた会議につきましても、必要に応じ情報共有の機会を設けるなど、柔軟に対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 横断的な会議が持たれているということで、多少安心いたしました。 次に、市の住宅施策の現状と課題について、お聞きいたします。 市の住宅施策の現状は、住宅に困窮する低所得者に対しては公営住宅、県外や他市からの移住希望者に対しては定住促進住宅、市内企業の就労者に対しては雇用促進住宅、個人の持ち家に対しては住宅リフォーム援助や耐震診断、耐震改修支援、増加する空き家には空き家バンク、住宅建設資金金利補給など多くの住宅施策を展開しているわけでありますが、市は住宅施策の現状と課題をどう捉え、今後どのような基本的方針で住宅施策を展開していくのかお答えください。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 住宅施策の現状と課題を捉えた施策展開について、御質問にお答えをいたします。 当市の人口は、国立社会保障・人口問題研究所による推計で、2015年時点の2万8,000人から2040年には1万8,000人と約1万人減少し、高齢化率も47%に上昇すると予測されております。一方、住宅ストックの現状は、平成30年、2018年の住宅土地統計調査によりますと、住宅総数1万3,430戸のうち、空き家は3,450戸で、空き家率は25.7%となっており、また、戸建て住宅の新築、建て替えは年間60件程度で、更新が進んでいない状況にあります。 こうした状況を踏まえ、今後の住宅施策を進めていく上では、人口減少を見据えた空き家対策が最も重要な課題であると認識をしております。このため、現在、本年度を目途に第2期の大町市空家等対策計画の策定を進めており、また、後期基本計画における住宅施策として、3つの項目を住宅施策の柱として、着実な実施を図ることとしております。 具体的には、1つ目として、移住・定住促進策等の充実強化では、移住の促進と空き家等の有効活用など、2つ目の市民生活の安全の確保では、空き家等の発生の抑制、また建物等の耐震化の推進、そして3つ目の快適な生活環境の形成としましては、住宅等の改修支援、公営住宅の整備等としております。 さらに、人口減少化社会に対応した持続可能なまちづくりを目指すコンパクトシティ形成に向け策定を進めている大町市立地適正化計画とも、住宅施策の方向性や連携を保ちながら、適切に取組を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 大町市には、現在県営住宅216戸、市営住宅14団地で477戸、雇用促進住宅80戸、民間住宅借上げの教員住宅は12戸を含め49戸、合計でおよそ822戸を確保しているわけであります。今後、人口減少社会を見据えた場合、市が提供すべき住宅総数はどのくらいが適正と考えているのか、住宅整備計画にどのように位置づけられているのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 住宅戸数の適正規模と整備計画への位置づけにつきまして、御質問にお答えをいたします。 ただいま議員より御紹介がありましたように、現在、市には目的ごとに県営住宅や市営住宅などがあり、それぞれの主体において建設・管理をされております。このうち市営住宅は、平成27年度に策定しました大町市営住宅等整備計画におきまして、市の将来人口を基に定めた令和7年度までの目標値として、現状から約4割削減をした295戸を設定をしており、県営住宅の目標管理戸数240戸と合わせまして、全体で535戸となっております。 目標年度まで4年を残した現段階では、順調に整備が進んでいるものと判断をしており、このほかの住宅につきましては、それぞれの施策の目的により建設されておりますので、目的に応じた適正な戸数であるものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 大町市は、人口に比べ、このところ新築される民間アパートが多いような気がいたしておるのですが、民間が提供する住宅と、市の提供する住宅のバランスをどう考えているのか、また住宅供給の安定のために、民間業者との連携はあるのかお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 民間住宅と公営住宅との供給バランスについての御質問にお答えをいたします。 初めに公営住宅ですが、地方公共団体が住宅に困窮する低所得者の皆様に対して、住まいを提供することを目的に建設された住まいのセーフティーネットとしての側面がありまして、営利を目的とする民間住宅とは必ずしも競合関係にあるものとは考えてはおりません。 その上で、民間事業者に賃貸住宅の需要状況を確認したところ、築後3年以内の築浅の物件では、1LDKの間取り家賃6万円程度、2LDKで家賃7万円程度となっており、入居募集後すぐに申込みがある一方、築後30年以上経過した物件では、空室が目立つというふうに聞いております。 事業者からは、民間賃貸住宅における需給状況は、需要が若干上回っているものの、ほぼ均衡が保たれており、公営住宅の存在が賃貸住宅市場を圧迫していないとの回答を得ております。これらのことから、現状において民間、公共別の住宅供給バランスはとれているものと判断しているところでございます。 また、民間事業者との連携につきましては、情報共有を図りながら、住宅の安定供給に努めているところであり、今後も連携を密に取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 行政が民間住宅の適正な状態も把握しているということで、安心しました。 次、私の住む隣組でも数軒の空き家が発生しております。市のメイン通りも空き家が発生しております。一方で大町市においては、不動産の動きが低調であると思います。私の経験からも、大町市への移住者の中には古民家、空き家リフォームの希望者が比較的多いと思っております。業者や市民、自治会と連携して、空き家バンクを活性化して、県外や市外からの移住者の要望に応えるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 地域との連携により空き家バンクを充実させるべきとの御質問にお答えします。 移住を検討する際に住まいの確保は必須要件であり、住みたいと思える住まいが見つかることにより、一気に移住の実現に結びついた事例があることは承知をしております。また、移住相談におきまして、魅力ある空き家を希望する相談が非常に多いことからも、空き家バンク制度の充実は、議員御指摘のとおり、移住推進策の要であるというふうに考えております。 一方、空き家バンクの登録物件は1月末現在で5件と、おおむね横ばいで推移しているのに対し、本年度の新規利用登録者数は32人と年々増えており、空き家の掘り起こしによる登録物件の追加は急務となっております。 そのため、市では自治会の協力により、地区内の利用可能な空き家情報を提供いただくほか、新年度におきましては、固定資産税の納税通知書にチラシを同封しまして、空き家バンク制度の紹介など、空き家の利活用について情報を提供し、不動産所有者の協力をお願いすることとしております。 また、空き家バンク利活用の促進を図るため、本年度新たに空き家バンク協力事業者連絡会を組織しまして、不動産業者と行政とが連携して空き家に関する情報を共有するとともに、空き家のリフォームの提案などを行えるよう、仕組みづくりを進めております。 さらに、空き家内の片づけの煩わしさから、空き家を手放すことに躊躇する所有者が多いことから、片づけ、清掃などに要する費用への補助制度を紹介しまして、空き家バンクへの登録を進めてまいります。 市としましては、引き続き不動産業者や自治会、市民など多くの皆様に御協力いただき、空き家バンクを充実させ、多くの移住希望者を迎え入れることができますよう努めてまいります。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 空き家バンクに力を入れるとの答弁でありました。 空き家バンクを活性化するための施策として、芸術祭に引き続き、まちづくり交流課に地域おこし協力隊を採用すべきだと思いますが、どうでしょうか。協力隊の最終目的である定住にもつながる施策だと考えますが、協力隊のマンパワーを活用すべきと思います。いかがでしょうか。
○議長(二條孝夫君) 総務部参事。
◎総務部参事(田中久登君) 空き家バンクを活性化するため、引き続き地域おこし協力隊を採用すべきだとのお尋ねにお答えいたします。 地域おこし協力隊制度は、都市部の人材を活用して地域の課題を解決すると、こういった目的として採用し、併せて地方への移住・定住を進めることにも結びつけると、そういう制度でございます。 御質問にありますように、現在、まちづくり交流課には北アルプス国際芸術祭や信濃大町アーティスト・イン・レジデンス事業など、芸術文化によるまちづくりを進めることを目的として協力隊員を配置しており、既に任期を終了した隊員の約8割が市内に住居を確保し、定住をいただいております。 現在の協力隊員の配置は、まちづくり交流課を例に申し上げますと、芸術文化を契機とした持続可能なまちづくりなど、地域課題の解決を図ることが主たる目的であり、仮に空き家バンクを活用することを目的として新たに協力隊員を採用することとした場合、どのような分野の政策課題に当たるのかということを検討した上での対応となりますことから、空き家バンク事業への効果はあくまでも副次的なものにとどまるものと考えております。 このため、議員御提案の趣旨での協力隊員の採用は、慎重に検討すべきというふうに考えておりますので、御理解をお願いいたします。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 検討していっていただきたいと思います。九州の大分県竹田市においては、協力隊を何十人と採用して、政府の補助金というんですか、交付税で活用しておるそうであります。 次に、大町市においては火災や地震などの自然災害に備えての住宅提供と、緊急な災害住宅建設に迫られた時点での建設用地の確保が計画されているのか、大町市は100年前に大きな地震があったという経過もありますので、そこのところを教えてください。
○議長(二條孝夫君) 総務部長。
◎総務部長(和田泰典君) 災害住宅建設用地の確保について、お答えをいたします。 近年激甚化する自然災害等により被災した場合、人命の救出とともに住まいの確保が大変重要なことであります。そのため、市では地域防災計画におきまして、災害仮設住宅を県と連携して設置することとしており、市内に8か所の建設候補地を設定しております。 以上です。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 確保されているということで、安心いたしました。 平成23年に創設された住宅リフォーム助成金は、当初、臨時的な制度との説明があったわけですが、10年を経過した今、今後も継続は期待できるのでしょうか、お答えください。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 住宅リフォーム支援事業への御質問にお答えをいたします。 この事業は、平成23年度の制度創設以降、社会情勢や生活スタイルの変化に伴い、段階的に助成対象となる事業内容を見直し、令和2年度からは大町市安心・安全リフォーム支援事業としまして運用を始め、本年度で11年目を迎えております。 これまで補助金の交付件数は2,660件、交付額累計4億4,000万円余となっておりまして、これに対し補助対象額の累計は31億1,000万円余であり、補助金交付額の7.1倍に達しますことから、大きな経済効果を上げているものと判断しているところでございます。 お尋ねの事業の継続性につきましては、現行では来年度までの時限的事業としておりますことから、市民の皆様のニーズを踏まえまして、また事業に直接関わる施工業者の皆様の意見等、こういったものも参考としながら、今後の事業の方向性について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) この事業は、本当に経済効果のある、7倍と言われましたか、事業であって、ぜひ結論を出して、今後とも続けていってほしいと思います。 それでは、3番目の質問ですが、市営住宅の維持管理について伺います。 大町市は県営住宅を除き、およそ600戸の住宅を管理しているわけですが、団地によって入居率に問題がありませんか。
○議長(二條孝夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長。 〔
建設水道部長(古平隆一君)登壇〕
◎
建設水道部長(古平隆一君) 市営住宅等の入居状況につきましての御質問にお答えをいたします。 現在、市営住宅全体の本年1月末現在の入居者数は321世帯であり、現在用途廃止に向け、入居者の募集停止を行っている大原2号団地及び借馬団地を含めた全体の入居率は67.3%で、募集停止中の団地を除きますと92.8%となっております。 このうち最も低い入居率は中原団地の78.6%であり、入居時に浴槽や給湯設備の費用が個人負担となっておりますことから、こういったものが要因と考えております。一方、入居率の高い住宅は雇用促進住宅で、入居率98.8%となっており、一定水準で整備されて県道にも近い利便性の高さが要因と考えております。 このほか美麻地区の戸建て住宅につきましては、移住者も多く、入居率は96%となっており、使い勝手のよい利便性の高い住居がニーズに合っているものと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) ただいま説明していただきました社の雇用促進住宅ですが、平成23年、国からおよそ8,100万円で譲り受けたと思います。社の雇用促進住宅はエレベーターがないということから、数年間入居率の低さが問題でありましたが、先ほど言われたように、ここ98%以上ですかの満室と聞きますが、改善した要因は何でしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 雇用促進住宅についての御質問にお答えをいたします。 雇用促進住宅は、鉄筋コンクリート構造の5階建て2棟、計80戸あり、市に移管される前の入居率は約60%程度でありました。市に所管後、エレベーターが設置されていないことなどから、前回一律の家賃を階層ごとに見直した結果、現在98.8%とほぼ満室に近い状態を維持しております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 過去にあった問題ですが、住宅を借りながら、そこには住まわず、物置、倉庫代わりに使用していた例、ごみ屋敷状態などがあったと伺っております。市は多くの住宅の維持管理をしているわけで、大変な作業だと考えます。 そこで、公共下水道のように、管理業務を包括的に外部委託する考えはないか、県内でも10市が委託をしていると聞いております。メリットを検討してはいかがでしょうか、お答えください。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 住宅管理業務を外部委託することにつきましての御質問にお答えをいたします。 今、議員から御紹介ありましたとおり、現在、県下19市のうち半数以上の10市が、公営住宅法に定める管理代行制度によりまして、県の住宅供給公社へ住宅の管理業務を委託しております。この制度のメリットとしましては、地域全体の公営住宅を一体的に管理することで、効率化が図られることが上げられております。 また一方で、入居者や家賃の決定など、公平、中立な立場から適正な判断が求められますほか、生活困窮者などを入居対象としておりますことから、福祉行政と連携した対応が必要な場合も想定をされます。このため、導入に向けましては、他市の取組などを参考にしながら、十分な検討が必要であると、今現在は判断しているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 検討を続けていってほしいと思います。 条例では、入居者から徴収する敷金は、安全確実な方法で運用しなければならないとされております。市はどのように運用しておるのでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 敷金の運用についての御質問にお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、大町市営住宅条例では、敷金を国債、地方債または社債の取得、預金、土地の取得金に充てる等、安全確実な方法で運用しなければならないと規定しており、現在、市の債権現金と併せ、安全確実な方法で運用しているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 敷金の残高はどのくらいでしょうか。他の資金と区別して管理されているのでしょうか、お聞きします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 敷金の残高についてお答えをいたします。 今現在、市営住宅で言いますと、約1,200万円ほどあろうかと思います。現在のところは、一般の会計の中に含めて適正に管理をしているということで承知をしております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) やはり条例で安全確実な方法で運用しなければならないとされているのであって、低金利であっても定期預金などの運用をすべきだと考えますが、運用する所管はどこでしょうか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) お答えいたします。 今現在、住宅管理という観点で言えば、所管建設課のほうで管理をしており、そこで預かった敷金につきましては、会計の中に入れまして、そこで適切に管理をしているというような状況でございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) ちょっと細かいことをお聞きしますが、過去、市営住宅の退去時の修繕費用のトラブルの事例はありますか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 居住者の退去時の修繕費用に関するトラブルについての御質問にお答えをいたします。 市営住宅から退去される際には、条例の規定に基づきまして、退去者と市の職員2名が立会いを行い、入居時に入居者と確認した各部屋の損耗の状況、こういったものを再度確認させていただいた上で、必要に応じ修補の必要性や方法、また費用の負担区分等について協議を行い、退去に向けた手続を進めておるところでございます。 入居者の中には高齢者をはじめ生活に困窮されている方も多く、また入居者が死亡した場合の住宅返還時などにおきましては、整理を行う御家族等から御意見をいただくことがございます。また、長期間使用後の退去手続では、部屋周りの経年の劣化や損耗状況に伴います修補方法、こういったものに関しまして、入居者の皆様との見解が異なることもございます。 しかしながら、これまで退去時の修繕費用に関し、大きなトラブルは比較的少ないものと認識しているところでございます。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) ただいまの説明では、大きなトラブルはないと認識しているとの答弁でありました。 それでは、3つほど細かいことを聞きますが、退去時の修繕費の見積りは建設課が行うのですか。修繕の施工は誰がやるのですか。市営住宅を撤去する際の修繕費は、誰が負担するのですか。経年劣化は市の負担ではないのでしょうか。この3つをお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 退去時の修繕に関して、3点の御質問に順次お答えをさせていただければと存じます。 まず、退去時の修繕費用の見積りについての御質問にお答えをいたします。 入居者の皆様が負担する費用の見積り方法につきましては、原則入居者自ら行うこととしております。また、入居者の希望により、市の工事に合わせて実施する場合には、退去検査時に作成した修繕方法の協議書に基づきまして、市が負担する修繕箇所と退去者が負担していただく修繕箇所を合わせた全体の工事について、原則3者の工事業者から見積りを徴収し、最も安い価格を修繕費用として算出しておるところでございます。その後、退去者負担分につきましては、全体の工事費からおのおのが負担する工事費で案分して算出をしております。 続きまして、修繕工事の施工者についての御質問にお答えをいたします。 修繕工事は、原則工事費用を負担する者が施工者を決めまして、実施することとしております。なお、専門的知識や技術、こういったものを要する内容、それからまた畳の表替え、また障子の張り替えなどにつきましては、専門店に発注をいただくようお願いしているところでございます。 それから3番目としまして、退去時、修繕費の負担区分についての御質問にお答えをいたします。 退去に当たり、畳の表替えや障子の張り替え、また破損ガラスの取替え等の入居に伴う修繕費用は、退去者に御負担をいただいておるところでございます。また、経年劣化に伴います修繕は市の負担となりますが、ふすまや床、また天井等に入居後新たに破損や汚濁したと判断した場合につきましては、これらの修繕費用を退去者に御負担いただいております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) なぜ私がこのような細かいことまで確認するというわけは、3年ほど前から3件の家の家族から、市営住宅を退去するときのトラブルの相談を受けたからであります。 1つは、高齢者の独居生活で気をつけながらきれいに住まいしていたのですが、市から退去時の審査で修繕費が80万円もかかると言われて困り果てている、敷金の範囲で収まると思っていたのに。また1つは、小学生2人を抱えたシングルマザーでありますが、2年ほど市営住宅に6万の敷金を入れ、8,000円の家賃で斡旋いただき、入居いたしました。大変感謝をしておりました。退去時に50万円ほどの修繕費を提示され、途方に暮れているという相談でありました。3件とも最終的には自分で業者に頼み、ハウスクリーニングをして退去しました。ちなみに20万円ほどの修繕費と聞いております。 遠くに引っ越しした後で大町市に来て修繕するのは大変です。お世話になった大町市を去るのに、こんなトラブルは残念で仕方がありません。低所得者なのに市は高圧的ではないかと言っておりました。ある団地では、この団地は行きはよいよい帰りは怖いといった話も耳にいたしました。基本的には市営住宅は利益を確保するための住宅ではなく、住宅に困っている市民への供給を念頭に置いた施策であるはずです。本来ならば、市営住宅に住まいさせていただき、お世話になりました、ありがとうございましたと思っていただき、次の生活に移っていくのが自然な姿だと思います。 退去時のトラブルのために、大町市での思い出をネガティブなマイナスイメージに捉え、出ていかれることは、大変悲しいことであります。これでは本末転倒ではないか、これらの事例について、市の考えをお聞きします。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 修繕の事例について、今、議員のほうから詳しい御指摘を受けました。真摯に受け止めなければならないものと今考えているところでございます。 市営住宅、第1の理念としまして、住宅に困窮する皆様に低廉な住宅を供給していくということにあります。ですから、一般の民間の住宅に比べて、敷金3か月分いただいているわけですけれども、そのそれぞれ暮らしていただく住宅の状況に応じて、家賃によって設定をしているという状況でございます。 また一方で、暮らし方、暮らす内容、今、幾つかの事例を御紹介いただきましたけれども、高齢者の場合、それからまた子育てに係るお母さんの場合、それぞれによって住宅のどうしても損耗状況ですとか、その年月、そういったものでもいろいろな部分で劣化ですとか、必要な修繕箇所も出てくるということでございます。 一般的には、先ほど私も申し上げましたとおり、居住者の皆様によって退去時に見積りを取っていただくという状況でございますが、市のほうに現実どのくらいになるのかという質問をされれば、大体大きな数字を申し上げる場合もございます。立ち会った職員が、その場所に一緒に行って、当初、入居時にも今の住宅の状況、御一緒に確認していただいて、その確認していた状況を写真等にも撮りまして、また退去時にその写真を確認しながら見ていただいて、そこで修繕を判断しているという状況でもございます。 そういった中で、先ほど申し上げたように、少し修繕の方法や内容、居住者の皆様と我々と乖離している状況も少なからずあるということでございます。こういったものは、またその立会いとか、また退去時の手続の中で、しっかりと丁寧に説明をしながら、改善すべきところは改善する、そういった方向で転換を図ってまいりたい、そういうふうに考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 2020年の国土交通省の原状回復ガイドラインには、経年劣化など退去時のトラブルを防ぐために、あらかじめ原状回復に必要な入居者負担の概算費用を明記することを奨励しております。特に大町市では、退去時のトラブルを避けるためにも、入居時に入居者負担の修繕の範囲を明記し、退去時の負担がイメージできるようなしおりを作成し、入居時に丁寧な説明が行われるべきだと私は考えます。 結露や過去のトラブル箇所、修繕費用などの説明を含め、それらの点においては、今までの市の対応はどうだったんでしょうか。反省点はありますか。
○議長(二條孝夫君)
建設水道部長。
◎
建設水道部長(古平隆一君) 退去修繕に係る入居時の対応等についての御質問にお答えをいたします。 市では現在、入居者の皆様全員に入退去時における手続をはじめ、共同施設の使用や退去時における修繕費用の負担区分や方法など、住宅を適正に使用していただくための内容を記しました「入居者のしおり」というものをお配りし、職員から入居者に、皆様全員に説明を行っております。また、入居の際は必ず入居者本人の、先ほども私お話ししましたが、立会いの下で、現況の確認を行い、目視による判断になりますけれども、そこで判断した判断可能な小さな傷ですとか、それから経年劣化による変色、こういったものを写真等で記録しまして、改めて退去時の補修費の負担区分や方法等について御説明をさせていただいております。 今、議員からの入居時にあらかじめ退去時の概算費用を明記することにつきましては、トラブルを回避していく上で非常に有効な手段と考えるところでございますが、また一方で、先ほども触れましたが、入居の期間ですとか、それから使用状況により、大きくそういったものが変動することも考えられるということで、現時点におきましては、入居者に対して丁寧でできるだけきめ細かな説明、こういったものを心がけてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) ただいま説明をいただきましたが、確かにこのような事例があるということは、借手と貸手の中にちょっと違和感とか間違っているところがあるとか説明不足とか、いろいろの状況があると考えます。もう少し考えて、このような思いで大町市を去るような人が再び出ないような施策をとってほしいと考えております。 最後に、新たに50戸の団地を計画している大町市でありますが、まず現状の住宅問題を見直すべきだと思いますが、市長の見解をお聞きいたします。
○議長(二條孝夫君) 市長。
◎市長(牛越徹君) ただいま議員から、個別具体的な住居者退去する際の事例について、お話をいただきました。やはり議員の御指摘にもありましたように、せっかく大町に住まわれ、そしていろいろな事情で退去されるときには、やはりお互いに丁寧な説明に基づいて、お互いに納得して、そしてそれを退去のときに対応するというのは、非常に大事なことだというふうに思います。 そうしたことから、これも部長の答弁にありましたように、市営住宅は住まいに困窮する方々に低廉な家賃で提供するという公的な使命がございます。この公的な使命ということからいえば、退去時の修繕費の取扱いについても、やはり公正で公平でなければならないということを、まず御理解いただきたいと思います。その上で、きちっとした国土交通省の公営住宅の取扱いに沿って、市でも対応しているというふうには思うところではございますが、個別具体的には、そうした具体的な事例があったということであれば、私もそうした事案については、しっかり内容を確認して、これから議員が御指摘されるような残念な気持ちで大町を去るというようなことのないように、力を尽くしてまいります。 また、これは新しい住宅を建てるためにもということに限らず、現在ある市営住宅の管理については、やはり公平、公正さをさらに徹底してまいりたい、そしてお住まいになられる方にいわゆる寄り添った住宅の提供に心がけてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(二條孝夫君) 再質問ありませんか。神社正幸議員。
◆6番(神社正幸君) 市長の答弁で、ひとつよろしくお願いいたします。 決してこのようなことがないように、それで新しい住宅の建設にかかっていただきたいと考えております。 以上で終わります。
○議長(二條孝夫君) 以上で、神社正幸議員の質問は終了しました。 以上をもちまして、本日の日程は全て終了しました。 本日はこれをもって散会といたします。大変御苦労さまでした。
△散会 午後3時01分...